Since | 16.0 |
このノードは、雨量、土壌の侵食性、エントレインメント率を変数として使用することで、侵食や堆積をシミュレーションします。
このノードは、プレイバック中に反復的に動作します。最初のフレームでは何の影響も受けていないように見えます。 このノードの効果を確認するには、アニメーションを再生する必要があります。 一度シミュレーションが良い感じに収束すれば、(Height Field Outputを使って)そのフレームのボリュームをファイルにエクスポートすることができます。
侵食のサンプルを見るには、 Terrain FX シェルフタブからMountainプリセットをクリックして再生ボタンを押します。
パラメータ ¶
Erosion ¶
Mask
地形上の各ポイントの侵食性の値として使用するマスクレイヤーの名前。
0
の値は、侵食なしにできます(これを使用することで、花崗岩のような地形を表現することができます)。
1
の値は、侵食しやすいことを意味します(これを使用することで、緩んだ土壌を表現することができます)。
このマスクは、2番目の入力から読み込まれます。
Amount
フレーム毎の侵食の効果に対するスケール。デフォルトの1
の値は、現実的な量を意味します。3
の値は、その現実的な量の3倍です。
この数値を増減させることで、全体的な侵食の量を制御することができます。
Noise
侵食の位置を散乱させます。自然な感じのシミュレーションをするには、ノイズがあるのが望ましいです。
Max Debris Depth
Debris(岩屑)レイヤーがこの深さに到達すると、侵食が止まります。
これらのオプションは、雨量による侵食を制御します。下り坂の水の流れの箇所では地形が侵食します。 Precipitation タブのコントロールで雨量を、 Water Flow タブのコントロールで水の流れを制御することができます。
Hydro
水流に対する Amount 値のスケール。
Dissolution Rate
土壌が崩壊して地形を流下する速さ。
熱侵食は、凍結した岩石の融解や粉砕で引き起こされ、特徴部が摩滅して滑らかになり、物質が傾斜の底に堆積します。
熱侵食は、Height Field(Debrisを含む)とブラーのかかったHeight Fieldを比較することで計算されます。 現在の高さがブラーのかかった高さよりも高い時、その部分が露呈されていると見なされ、侵食の対象となります。 熱侵食は、いわば緩和の過程です。
Thermal
熱侵食に対する Amount 値のスケール。
Wind Removal Rate
熱侵食によって削除されるDebris(岩屑)の割合。これは、Debris(岩屑)すべてが堆積するのではなく、ある程度の量のDebris(岩屑)を運び去る風をシミュレーションします。
デフォルトは0
(削除なし)です。
Thermal Feature Size
侵食させる領域を計算する時に使用するブラー量を制御します。これが実質的に侵食の度合いを制御しています。
Precipitation ¶
Mask
雨量を制御するマスクレイヤーの名前。このレイヤー内の値は、 Amount パラメータのスケールです。これは、2番目の入力から読み込まれます。
Amount
フレーム毎にシミュレーションする雨量。非常に大きな量を使用すると、本質的に地形全体が浸水することになるので、あまり侵食が見受けられなくなります。
Density
雨粒の密集度。密集度が低いほど侵食線が増えます。密集度が高いほど、さらに隙間の広がった侵食の亀裂が生成されます。
Evaporation Rate
蒸発の速さ。このレートが高いほど、貯まった水がフレーム毎に少なくなっていきます。水をもっと多く貯めたいのであれば、 Amount を上げるか、このEvaporation Rateを下げます。
Water Flow ¶
Spread Iterations
水が広がるシミュレーションを実行する反復回数。反復回数が多いほど、よりリアルな結果になりますが遅くなります。
Spread Rate
反復毎に水が地形上を広がる速さ。
Smooth Iterations
フレーム毎に水流アルゴリズムをこの数だけ反復させます。
Smooth Rate
値が大きいほど水流をより滑らかにします。
Debris ¶
Entrainment(エントレインメント)とは、侵食要因(水、風、土石流)によってDebris(岩屑)が運ばれる過程のことです。
Entrainment Rate
侵食要因によって運ばれる物質の割合。
Iterations
フレーム毎に実行する広がりアルゴリズムの反復数。
Spread Rate
反復毎にDebris(岩屑)が地形上に広がる速さ。
Repose Angle
緩んだ固体物質が滑り落ちずにその場所に残る最大傾斜角(水平方向との角度)。
Bedrock ¶
Bedrock Override
シミュレーションのフレーム毎に、Bedrock(岩盤)レイヤーが2番目の入力のBedrock(岩盤)レイヤーに置換されます。 存在しなければ、何も置換されません。
Adjust Height by Bedrock Change
岩盤が変わっても、その地形の高さを調整します。これによって、2番目の入力の山の成長がアニメーションした箇所でも山を構築することができ、 侵食が起きているフレーム毎に新しい高さが加算されます。
Adjust Erodability by Strata
参照の岩盤レイヤーとの距離による岩の侵食性を調整します。
Strata Depth
地レイヤーの深さ。Strata Erodabilityランプは、この深さを使用して、地レイヤーの深さを制御します。 プラスの値は、その地レイヤーが岩盤レイヤーより下の硬度を表現することを意味します。 マイナスの値は、その地レイヤーが岩盤レイヤーより上の硬度を表現することを意味します。
Clamp at Strata Bounds
地レイヤー範囲外の深さは、そのランプの両端でクランプされます。 クランプを無効にすると、その深さは、周期パターンの形成を繰り返します。
Strata Erodability
異なる地レイヤー深さの岩の侵食性。一番左側が参照の岩盤レイヤーで、一番右側が最大の地表深さです。 1の値は緩んだ土壌のように完全に侵食可能で、0の値は花崗岩のように侵食しません。
Layers ¶
このタブのオプションは、普通にこのノードがゼロから生成するレイヤーが入力に含まれている場合に、このノードが行なうべき事を制御します。
Remove Debris Layer from Input Height Layer
入力に既にDebris(岩屑)レイヤーが含まれていれば(例えば、前のErodeノードから生成または手動でペイントしている場合)、そのレイヤーをDebris(岩屑)として維持しますが、このノードの侵食計算には考慮されません。
Remove Water Layer from Input Height Layer
入力に既にWaterレイヤーが含まれていれば(例えば、前のErodeノードから生成または手動でペイントしている場合)、そのレイヤーを水として維持しますが、このノードの侵食計算には考慮されません。
Reset Water Layer
入力に既にWaterレイヤーが含まれていれば、それを削除します。
Reset Debris Layer
入力に既にDebris(岩屑)レイヤーが含まれていれば、それを削除します。
Add Debris Layer to Final Height Layer
Debris(岩屑)レイヤーの値を使って、それをHeightレイヤーに加算します。Debris(岩屑)レイヤーを他の方法で表現する予定があるなら(例えば、別々にボリュームをシェーディングしたり、岩のジオメトリをインスタンス化するなど)、これを無効にしても構いません。
Add Water Layer to Final Height Layer
Water Elevation(水面高さ)レイヤーの値を使って、それをHeightレイヤーに加算します。 デフォルトはオフです。これは、Water Level(水位)をHeight値に“ベイク”するので、例えば、貯まった水は平坦な地形になります。 これは、“水”の領域を平坦カラーで色付けた箇所に対して非常に単純な出力が必要な場合に役立ちます。
Layer Bindings ¶
このタブのコントロールは、このノードが検索/作成するデフォルトのレイヤーの名前を変更することができます。
Height Layer
処理するHeightボリュームの名前。通常はheight
。
Water Layer
Water Elevation(水面高さ)を含んだレイヤーの名前(デフォルトはwater
)。
Material Layer
Debris Elevation(堆積高さ)を含んだレイヤーの名前(デフォルトはdebris
)。
Bedrock Layer
現在の高さに侵食された深さを判断するための参照レイヤー。これが入力に存在しなければ、元の地形の高さに設定されます。
Flow Layer
このノードは、 累積 の水流を表現したflow
レイヤーを出力します。
このレイヤーには、ボクセル空間でのフロー方向を表現した2つの符号付きコンポーネント(xとy)が含まれます。
この値は累積なので、例えば水が左に流れてから右に流れると、その2つのモーションは打ち消し合い、xコンポーネントが0になります。
Flow Dir Layer
このノードは、各ボクセルにおける平均のフロー方向を示したベクトルを含んだflowdir
レイヤーを出力します。
Simulation ¶
Reset Simulation
クリックすると、シミュレーションキャッシュがクリアされます。最初のフレームをビューイングしていない時にこれをクリックするのは注意してください。 Houdiniは、あなたがビューイングしているフレームまでのすべてのフレームを再シミュレーションしなければならなくなるので、現行フレーム番号が大きいほど遅くなってしまいます。
Start Frame
このノードは、このフレームまで侵食のシミュレーションを開始しません。デフォルトは1
(最初のフレーム)です。
Sub Steps
フレーム毎に実行するシミュレーションサブステップの数。この数が多いほど結果が良くなりますが遅くなります。
Cache Simulation
インタラクティブにスクラブできるように、完了したシミュレーションフレームをメモリにキャッシュ化します。非常に大きな侵食に対しては、メモリを節約するためにこのオプションを無効にするのが最善の方法です。
Allow Caching To Disk
Cache Simulation が有効で、このオプションも有効であれば、シミュレーションが Cache Memory 制限に到達した時にフレームをディスクにキャッシュし始めます。 ディスク上のフレームはメモリ内のフレームよりも読み込みが遅くなりますが、それでも再シミュレーションよりは速いです。 このオプションが無効な時、シミュレーションがその制限に到達すると、単にそのキャッシュ内で最も古いフレームが削除されていくだけです。
Cache Memory (MB)
シミュレーションしたフレームのキャッシュ化に使用する最大メモリ量(単位はメガバイト)。
Visualization ¶
このタブには、Heightレイヤーや他のレイヤーを可視化するためのオプションが含まれています。 これらのオプションは、Height Field Visualizeノードと同じです。
Visualize
Height Fieldに対して等高カラーランプを、WaterレイヤーやDebris(岩屑)レイヤーを別々のカラーとして表示できるように、可視化マテリアルを適用します。
Projection
侵食を可視化する時のUp方向を制御します。 可視化した際に縞々のカラーが含まれてしまった場合は、おそらくこれが間違った値に設定されています。
Compute Range
クリックすることで、Height Fieldから現行の最小/最大値を使って、 Min Elevation と Max elevation のパラメータを埋めることができます。
Min Elevation
カラーランプにマッピングする最小Height値。
Max Elevation
カラーランプにマッピングする最大Height値。
Height Ramp
Height Field内のHeight値( Min elevation から Max elevation まで)をカラーランプにマッピングして、3D Heightサーフェスのカラーを制御します。
Layer 9/8/7/6/5/4/3/2/1
マスクレイヤーの名前と、そのレイヤーを標高カラーランプ上のカラーとして可視化するためのカラーを入力します。 Layer 9はLayer8上に、Layer8はLayer7上に表示されます。