Posted 3月 03, 2020
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略史

Virtuos 社は、会社として小さい一歩を踏み出した瞬間から、包括的なツールセットを味方に、世界各地のクライアントにアート、アニメーション、ゲーム開発のサービスを提供してきました。そのツールの1つである Houdini は、ゲームおよび映画制作に広範囲に活用されています。

Virtuos 社は、TV 用アニメーションの作成ではじめて Houdini を使用しました。当時は主に、Maya や Mental Ray などの3Dレンダリングソフトウェアと連携させて使用していました。たとえば「スター・ウォーズ 反乱者たち」では、ライトセーバーによる金属溶融エフェクトなど、さまざまな VFX を Houdini で作成しました。シーズン3終盤の宇宙戦闘に登場するレーザーや船の破壊といったエフェクトのメインツールも Houdini でした。

ケーススタディ:Age of Empires II: Definitive Edition

名作リアルタイムストラテジー (RTS) ゲームの待望のリマスター版「Age of Empires II: Definitive Edition」は、細心の注意と気配りを要するプロジェクトでした。コストをかけてでも、すべてのディテールを最高品質へアップデートしたいというのがクライアントの要望だったのです。この依頼に真摯に向き合った結果、4K解像度、鮮やかなカラーパレット、見事なライティングエフェクト、ユニットおよび建造物の構造のリデザインなどが施され、数々の機能を備えたゲームが完成しました。



建造物のリデザインには、破壊エフェクトのグラフィックスの忠実度を向上させることも含まれていました。ゲームプレイのコアループの大半は、建造物の建設と戦闘や包囲攻撃による破壊を中心に展開するため、倒壊する建物を表現するエフェクトを最高品質にすると同時に、構造物のタイプによる倒れ方の違いは保持する必要がありました。また、ゲームの環境にズームインする機能が追加されたことで、破壊シーケンスがコマ落ちなく再生されることに加え、拡大しても問題ない品質のテクスチャでなければなりません。

問題

ビジュアルエフェクトの質を高めるには、専任アーティストにアニメーションそのものを手動で作成してもらうのが最も確実です。しかし、このゲームでは不可能でした。構造物の数があまりに多く、手動でアニメーションしていては、時間がかかりすぎます。仮にそれが可能だったとしても、時間と予算の制約がある中では、破壊エフェクト全体の質が満足のゆくものにはならなかったでしょう。



制約がある中で基準を満たす品質のエフェクトを作成するには、別の方法を見つけなければなりません。

Houdini によるプロシージャル破壊エフェクトの生成

Houdini の大きなセールスポイントの一つが、複雑なシミュレーションエフェクトが生成できることです。しかし、その真の強みはプロシージャルであることと、一度セットアップを作成すれば、そのセットアップをさまざまな別の入力ジオメトリにも使用できることです。「Age of Empires II: Definitive Edition」の破壊エフェクトを作成する主力ツールとして Houdini を選んだのもこれが理由です。

制作本番に入る前に、要件に合うカスタムツールを作成する必要がありました。このツールの目的は、編集可能なパラメータセットをHoudiniチームに提供することで、パラメータに応じて破壊エフェクトの振る舞いを設定し、最大限のカスタマイズが可能なうえに、物理的および視覚的な一貫性も保つようにします。それに加えて、指定した建材のタイプに応じたコンストレイントネットワークを自動生成することもできます。木材ならしなってから折れ、石なら衝撃で砕けるというように、ゲーム内のさまざまな建材が外部の力に対してどう抵抗するかをリアルにシミュレートできます。ツールはそれ以外の素材にも対応しており、たとえば布地なら、シミュレーションパイプラインで処理されます。



ツールが完成すると、Houdini チームは、Virtuos 社のアセット部門が作成した建物モデルを使って破壊エフェクトの作成に取りかかりました。モデルはゼロから構築され、元のゲームとほぼ同じ見た目になるようにデザインされました。作成されたモデルファイルは、Houdini内で使用できるように Alembic 形式 (.abc) としてエクスポートされました。

担当のアーティストは、限定されたパラメータを調整して、破壊エフェクトのバリエーションをいくつも作成しました。使うパラメータは先ほど説明したカスタムツールによるアクセスし易いインターフェイスに表示されます。

これらのパラメータの1つが、木、金属、石など、建物の素材タイプの物理特性に関するものです。このパラメータによって、建物の一部が折れたり崩れるときの振る舞いが決定され、破壊エフェクトがリアルになります。

倒壊のプロセスに納得がいったら、次は「ブレーク不能 (unbreakable) コンストレイント」を使って建物の破片を部分的につなげます。建物は破壊されると、バラバラの破片になって崩れ落ちます。このコンストレイントを使って一部のパーツをつなげると、大きい塊がそのまま残ります。こうすると破壊が有機的に見えるうえに、単なる瓦礫の山ではなく、廃墟のようになるわけです。



ここまできたら破壊エフェクトの完成はすぐそこです。外観を修正したり、建物の一部がはがれ落ちる様子に面白みを加えるなどしてアニニメーションを調整したら、いよいよプレイブラストでアートリードまたはディレクタに見せます。彼らの承認が得られたら、破壊エフェクトを 3ds Max にエクスポートしてレンダリングのプロセスに移ります。

結果とまとめ

破壊エフェクトの作成で最も時間を要したのはカスタム Houdini ツールの開発で、合計2週間かかりました。ツールが完成した後は順調でした。Houdini チームは、たったの数時間でゲーム内の建物すべてに使うアニメーションを作成し、ポリッシュできました。最終的には、ユニークかつ一貫性のある振る舞いをする、ゲームの美的感覚に合致した破壊エフェクトをすべての建物に持たせることができました。



Houdini のプロシージャル作成ツールを使用した経験からいくつか重要なことが分かりました。

  • ここまで説明してきたようなアニメーションを比較的短時間かつ、手間をかけずに生成したい場合には、Houdiniは大変便利です。
  • アートチームは節約できた時間を使って、「Age of Empires II: Definitive Edition」の全体的なアートディレクションを洗練させることに専念できました。

今回の成功を受けて、Virtuos社は以下の領域に集中的にHoudiniを活用することを計画しています。

  • 既存 Houdini チームの大幅な拡張
  • ツールを開発し、Houdini に連携させる社内プロジェクトを立ち上げます。建物もプロシージャルに作成できるようにするなど、Houdiniの用途を広げます。
  • Houdiniやゲームエンジンで使用できるデジタルアセットのライブラリを構築し、継続的にアセットを充実させていきます
  • プロシージャルな景観の生成にHoudiniを活用できるチャンスを探ります。たとえばプロシージャルなアセット配置ソリューションを構築し、オブジェクトが密集した環境 (森など) を自動的に生成できるようにします。
  • 2020年には、プロシージャルによるレベル作成機能をさらに強化します。

プロシージャルおよびAIベースのテクノロジは、今後ゲーム業界でますます存在感を増してくるはずです。Virtuos 社はそうしたテクノロジーをフル活用して、ゲームに最上級のアートアセットを提供するというミッションを果たしていきます。




コメント

  • kingcottage 4 週間, 1 日 前  | 

    我还认为是《帝国时代Ⅳ》呢,没想到是two,很棒。Ⅳ代如果能有把楼的一角炸飞效果的话可真是奇迹。good work

    • 152154539 2 週間, 3 日 前  | 

      是2代的重制版本,也就前几个月刚出的

  • aaadragon 4 週間, 1 日 前  | 

    Nice article! 2 weeks is not much for development of so useful tool.

  • 3dkeshaw 4 週間 前  | 

    wow

  • cgboy 3 週間, 6 日 前  | 

    加油

  • bkamphues 3 週間, 6 日 前  | 

    That's really cool! I would love to know what the interface looks like...

  • monci 2 週間, 3 日 前  | 

    在Houdini的应用和开发上积累的工具和资产越多,开发效率越高。加油!

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