Houdini 17.0

単純な布スカートを作成してキャラクタに取り付ける方法

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すべての布は、Tポーズのキャラクタ上でモデリングされているのが理想です。そうすれば、初期段階で生地がキャラクタを貫通しないようにすることが簡単になります。布が落ち着くのに通常は10-20フレームかかります。つまり、大きなキャラクタアニメーションをする前にTポーズにそれだけの時間を確保してください。

NOTE

布ジオメトリを合理的なサイズに保持してください。例えば、パンツは約1ユニット長にしてください。 パンツが100ユニット長でモデリングしていれば、そのパンツが100メートル長(328フィート)の挙動をします。 デフォルトの単位はメートルです。 作業を始める前に、今の作業環境が適切なスケールであることを確認してください。もし単位がメートルではなくてフィートやインチで作業したいのであれば、 Preferences ▸ HIP File Options で、それ相当の単位の設定をします。布シミュレーションを作成する前に、これをしておくことが重要になります。

  1. Create シェルフタブでCircleを作成します。 Primitive TypePolygonOrientationZX PlaneArc TypeOpen Arc に設定して、 Divisions は最低でも20にします。

  2. Circleがキャラクタの腰にフィットするように、キャラクタのジオメトリと交差しない範囲で可能な限り近づけてスケールします。

  3. CircleをPoly Extrudeツールを使って長さとスケールを設定します。

  4. オプション タブで、各プリミティブがだいたい四角形くらい見えるまで Divisions を増やし、そして Output Front チェックボックスをオフにします。

  5. Fuseノードを追加します。(これは布シミュレーションで役に立ちます)。

  6. Polygon シェルフタブのSubdivideツールを使って、状況に応じて Depth の値を増やします。より薄くて、よりシワが多い生地ほど、より解像度が必要になります。より厚くて変形が少ない生地ほど低い解像度でも対応することができます。

  7. ジオメトリレベルに戻り、 Circle オブジェクトを選択して、 Cloth シェルフタブのCloth Objectをクリックします。

  8. ジオメトリレベルに戻り、キャラクタのボディジオメトリを選択して、 Cloth シェルフタブのCloth Bodyをクリックすると、衝突オブジェクトが設定されます。

  9. スカートをボディに取り付けるには、 Cloth シェルフタブのAttach to Bodyをクリックしてプロンプトの指示に従って操作します。

    • スカートを選択してEnterを押します。

    • スカートの腰周りのポイントを選択してEnterを押します。

      Tip

      スカートの腰上の1個のポイントを選択してホットキーのLを押すと、ループ選択することができます。

    • キャラクタのジオメトリを選択して、Enterを押すと1セットの拘束が作成されます。

  10. プレイバーの再生ボタンを押して、シミュレーションを確認します。

布の外観はAutoDopNetworkのCloth Objectの Modelタブのパラメータで調整することができます。一番重要なコントロールは、 Overall Stiffness です。 Overall Stiffness の値を上げると、より硬い生地になり、値を下げるとより柔らかくてシルクのような生地になります。 Overall Stiffness を指定すると、その挙動は、Stretch、Shear、Weak Bend、Strong Bendに相当する Relative Stiffness の値を変更することで微調整することができます。 Relative Stiffness の値には、0から1の値を設定します。これは、 Overall Stiffness の乗数として動作します。

例えば、以下の3つのドレスは同じものです。オレンジのドレスはデフォルトの設定。ピンクのドレスは、 他の2つよりも Overall Stiffness を少し下げています。 紫のドレスは、 Weak Bend の代わりに Strong Bend を使用しているので、しわが少ないです。

Overall Stiffness Relative Stiffness Stretch Relative Stiffness Shear Relative Stiffness Weak Bend Relative Stiffness Strong Bend
500 1 0.1 0.001 0
Overall Stiffness Relative Stiffness Stretch Relative Stiffness Shear Relative Stiffness Weak Bend Relative Stiffness Strong Bend
2000 1 0.1 0.001 0
Overall Stiffness Relative Stiffness Stretch Relative Stiffness Shear Relative Stiffness Weak Bend Relative Stiffness Strong Bend
2000 1 0.1 0 0.001

トラブルシューティング

布ジオメトリがキャラクタジオメトリに貫通していたり、布ジオメトリが自己交差していれば、2、3の手順でそれを解決することができます。一度に多くの調整をしてしまうとシミュレーション時間がかかってしまって、問題の原因を絞り込むことができません。そのため、どれかを調整して一度に再シミュレーションと改良のチェックをすることを薦めます。

  • Max Local Collision Passes の値を上げることで、可能な限りほとんどのセカンダリ衝突を簡単に解決することができます。

  • 貫通が解決しても、その結果の見た目が良くないのであれば、 Max Global Collision Passes を上げてみてください。これは少し処理が重いですが、物理的に正確です。

  • 結果に満足しなければ、Collision Passesを上げるのではなく、 Min Substep Rate を上げてみてください。

  • 布がボディに非常に近い場合、アニメーションするキャラクタジオメトリ(Static Object)の Thickness を調整します。これは、Static Objectノードの Surface タブの Collisions で設定することができます。

  • 布が自己貫通している場合、時々、Cloth ObjectCollisions タブの Contact Repulsion の値を上げることで問題を解決することができる場合があります。

布の作業で役立つ情報

  • 布が初期の状態でボディジオメトリと交差していない、または自己交差していないことを確認します。

  • 布ジオメトリは、三角形ポリゴンまたは四角形ポリゴンでモデリングすることができます。 四角形ポリゴンを使用した時は、そのエッジが織物の縦糸と横糸の方向になります。 三角形ポリゴンを使用した時は、materialuvPoint/Vertexアトリビュートを設定して、織物の縦糸と横糸の方向を定義します。

  • ジオメトリ内のポリゴンのサイズの大きさが大きく差をあける必要があるなら、ポリゴンが大きいサイズから小さいサイズへ徐々に移り変わるようにモデリングしてください。

  • 布を縫い合わせる時、各布のポイントは整列している必要があります。

  • Wind Forceを使えば、布に風の効果を作成することができます。Wind Forceの Velocity パラメータを主に使用して、風の挙動を変更またはアニメーションさせてください。

  • 非常に高解像度のジオメトリ(例えば、レンダリングジオメトリ)はシミュレーション時間が非常にかかるので避けてください。Cloth Proxyシェルフツールを使えば、単純なメッシュにCloth CaptureとCloth Deformのノードを使用したセットアップが作成されます。

はじめよう

次のステップ

トラブルシューティング

How to