Houdini 19.5 破壊

ガラスの扱い方

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ジオメトリを事前粉砕するハイレベルなツールこそがRBD Material Fracture SOPであり、指定したタイプの材質に基づいて的確にジオメトリを粉砕することができます。 デフォルトの材質はコンクリートです。 Material Type ドロップダウンメニューから Glass を選択することで、このタイプを変更することができます。

Note

これは、ガラス板(平坦なオブジェクト)での使用を想定しています。現在のところ、曲がったガラスには対応していません。

Pre-Fracturing(事前粉砕)

Fracture per Piece は、別々のグラス板を扱う時に非常に役立ちます。 これは、入力ジオメトリ内のピース毎にループさせて、各ピースを別々に粉砕させることができます。

Cracks タブのパラメータは、ガラスの亀裂の数とその見た目を決定するのに役立ちます。

To...Do this

ガラスが受ける衝撃ポイントの数を制御する

Scatter Points パラメータを増減します。

衝撃ポイントの位置を手動で決める

  1. RBD Material Fracture SOPImpact Points タブの Scatter Points チェックボックスを無効にして、 Input Points チェックボックスを有効にします。

  2. 入力ジオメトリにScatter SOPを接続して、 Force Total Count パラメータに作成したいポイントの数を指定します。

    Note

    デフォルトでは、Scatter SOPは1000個のポイントを作成します。これは多すぎます。

  3. Edit SOPを使って、ポイントを入力ジオメトリ上の目的の位置まで移動させ、これをRBD Material Fracture SOPの4番目の入力に接続します。

衝撃ポイントから生成される放射状の亀裂の数を制御する

Cracks タブの Radial Crack Number パラメータを増減します。 複数の衝撃ポイントを用意した場合、 Number Variance パラメータと Number Seed パラメータを使って、衝撃ポイントあたりの放射状の亀裂の数のばらつきを指定することができます。

生成される同心状の亀裂の数を決定する

Minimum Width パラメータの値を下げると亀裂の数が増え、値を上げると亀裂の数が減ります。 このパラメータには、放射状に外側の方へ生成される亀裂の距離を指定します。

Note

他にも、 Impact Spread パラメータを増減することで、中心から広がる同心状の亀裂の距離を指定することもできます。

同心状の亀裂を不均一な見た目にする

Discontinuity Freq パラメータと Discontinuity Size パラメータを使って、ノイズパターンを変更します。

Tip

Guide Geometry パラメータを Concentric Noise に変更することで、ノイズパターンをうまく視覚化することができます。 赤い領域は、維持される破片を示します。

粉砕パターンをもっといい感じの形状にする

Details タブの Enable Edge Noise チェックボックスを有効にします。 Noise Amplitude パラメータを変更して、渦パターンのノイズを変更します。 Noise Frequency パラメータを変更することで、粉砕ラインにもっとバリエーションを加えることもできます。

Chipping(削屑)

Chipping タブの Enable Chipping チェックボックスを有効にすると、ガラスが粉砕された時に、そのガラスの破片の角が削られて、シミュレーションがもっと細かくなります。 左側の図は、削屑のない粉砕したガラスの破片で、右側の図は、削屑のある粉砕したガラスの破片を示しています。

Chippingパラメータを理解する

Chippingパラメータは、削屑の破片のルックに対してたくさんの制御をすることができます。

To...Do this

削屑が適用される破片の数を制御する

Chipping Ratio パラメータを増減します。1の値は、すべての破片に対して削屑が適用されます。

削屑が適用される角の数を決定する

Corner Ratio を調整します。1の値は、すべての角に対して削屑が適用されます。

削屑の大きさを調整する

Corner Depth パラメータを修正することで、破片の中心を基準に削屑の大きさを制御することができます。 このパラメータを大きくすると、削屑が大きくなります。

切断平面にバリエーションを加える

Directional Noise パラメータを使用します。 0の値は、切断平面が角に直交して配置されます。 このパラメータを大きくすると、切断平面が異なる方向にオフセットされ、より不規則なルックになります。

削屑の破片をメインの粉砕破片に接着させる強度を制御する

Constraints タブの Chipping Glue Strength を変更します。

Proxy Geometry(プロキシジオメトリ)

デフォルトでは、RBD Material Fracture SOPは、エッジにノイズがかかっていないバージョン(ボロノイ破壊の形状)をプロキシジオメトリとして使用します。 これは、高解像度ジオメトリと完全に一致しなくなりますが、よほどノイズ量が多くない限りは、通常では、良い結果が得られるほど十分に近いプロキシジオメトリになります。 別の方法として、 Use Convex Decomposition を有効にすることで、高解像度ジオメトリにもっと近く合わせることができます。

Constraints(拘束)

Constraints タブには、特定のグループのガラスの破片に特化した拘束の設定があります。 ここでは、放射状の亀裂、同心状の亀裂、削屑の間の接着ボンドの強度を設定することができます。 Guide GeometryConstraint Network に変更することで、これらの拘束を色で視覚化することができます。 放射状の亀裂の間の拘束は、 Radial Color (暗い青)になり、同心状の亀裂の間の拘束は、 Concentric Color (明るい青)になります。

詳細は、拘束のヘルプのページを参照してください。

ガラス粉砕の問題の解決

ガラス粉砕でよくある問題は、割れていないガラスの破片に細かい内側フェースがある時に起こります。 ガラスは透過サーフェスなので、この内側フェースはレンダリングで問題を引き起こす可能性があります。 このような類の問題を解決するには、粉砕の後にRBD Connected Faces SOPを適用することです。 このノードは、粉砕ジオメトリの内側フェースのプリミティブ番号と、反対側のフェースまでの距離を記録します。 この情報を利用して、RBD Disconnected Faces SOPDelete Connected モードを使って、割れていないガラスの破片の内側フェースを削除するかどうか決めることができます。

破壊

材質別のRBD粉砕

次のステップ

材質ベースの破壊の紹介

  • はじめよう

    ソースシーンを読み込んで、それについて見ていきましょう。

  • チュートリアル

    ステップバイステップで学ぶ材質ベースの破壊入門。