Houdini 19.5 HQueue

インストール

基本的なHQueueファームのセットアップ方法。

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始める前に

Note

このガイドは、サーバーとクライアントがどちらも同じオペレーティングシステム(Linux,MacOS,Windows)を使用していることを想定しています。 オペレーティングシステムが混在したHQueueファームをセットアップすることも可能ですが、このガイドでは説明しません。

HQueueファームをセットアップする前に、以下の項目が必須です:

ネットワーク接続

  • どのマシンもお互いにドメイン名(DNS)またはIPアドレスから 必ず “見えている”またはピングが通っていなければなりません。

  • クライアントマシンは5000ポート番号経由でサーバーマシンと 必ず 接続できなければなりません。サーバーマシンは5001ポート番号経由でクライアントマシンに 必ず 接続できなければなりません。ローカルのどのファイアーウォールでもそれらのポートが解放されている必要があります。

共有ネットワークフォルダ

  • サーバーとクライアントは共有ネットワークファイルシステム(例えば、Samba(SMB)共有のNFSマウント)に 必ず アクセスできなければなりません。

  • 共有フォルダは、どのマシンでも同じ場所を 必ず マウントしていなければなりません。例えば、Linuxなら /mnt/storage/ 、Windowsなら H:/ です。

Houdini

  • すべてのクライアントマシンにはHoudiniを 必ず 同じインストールディレクトリにインストールしてください。

    Mac

    MacOSでは、デフォルトのHoudiniインストールパスは /Applications/Houdini/HoudiniX.Y.ZZZ です。

    Windows

    Windowsでは、デフォルトのHoudiniインストールパスは C:/Program Files/Side Effects Software/Houdini X.Y.ZZZ です。

    Linux

    Linuxでは、デフォルトのHoudiniインストールパスは /opt/hfsX.Y.ZZZ です。

  • hythonmantrakarmaなどのライセンスを必要とする実行ファイルをクライアント側で実行できるように、各クライアントで 必ず Houdiniライセンスが掴めるようにセットアップする必要があります。

HQueueのインストール方法

HQueueファームのセットアップには、HQueueサーバーのインストール、HQueueへのネットワークフォルダの登録、ファームへのクライアントマシンの追加の作業が伴います。

Note

現在のところ、HQueueインストールはHoudini Launcherから利用できません。 代わりにHoudiniインストーラを使用してHQueueをインストールしてください。

ファームをテストする方法

HQueueファームが正しく設定されているかテストするために、単純なHoudiniレンダージョブを投入することができます:

  1. Houdiniを起動します。

  2. 単純なシーンを作成します。レンダリングするには、最低でも何かしらのジオメトリ、ライト、カメラ、Mantra ROPを配置します。

  3. /outノードネットワークに進んで、HQueue Render ROPを配置します。

  4. パラメータエディタで、Output DriverパラメータにMantra ROPを設定します。

  5. HQueue ServerパラメータにHQueueファーム(例えば、http://serverMachine:5000)を指定します。

    Note

    serverMachineにDNSが設定されていない場合は、代わりにそのURLにそのサーバーマシンのIPアドレスを入力しても構いません。 例えば、http://X.X.X.X:5000です。

  6. 次に、 Target HFS パラメータに、クライアントマシン上にインストールされているHoudiniの場所を設定します。

    Mac

    MacOSでは、 Target HFS を以下のように設定します:

    /Applications/Houdini/HoudiniX.Y.ZZZ/Frameworks/Houdini.framework/Versions/Current/Resources
    

    Windows

    Windowsでは、 Target HFS を以下のように設定します:

    C:/Program Files/Side Effects Software/Houdini X.Y.ZZZ
    

    Linux

    Linuxでは、 Target HFS を以下のように設定します:

    /opt/hfsX.Y.ZZZ
    
  7. HQROOT ネットワークフォルダ内に.hipファイルを保存します。HQROOTネットワークフォルダの設定は、HQueueウェブインターフェースのNetwork Foldersウェブページにあります。

    Mac

    MacOSでは、そのネットワークフォルダはHQROOTネットワークフォルダ用のmacOS Mountフィールドで定義されています。 例えば、.hipファイルを/Volumes/myShare/test.hipに保存します。

    Windows

    Windowsでは、そのネットワークフォルダはHQROOTネットワークフォルダ用のWindows Mountフィールドで定義されています。 例えば、.hipファイルをH:/test.hipに保存します。

    Linux

    Linuxでは、そのネットワークフォルダはHQROOTネットワークフォルダ用のLinux Mountフィールドで定義されています。 例えば、.hipファイルを/mnt/myShare/test.hipに保存します。

  8. パラメータエディタの上部にある Submit Job をクリックします。

    • 新しいジョブがHQueueウェブインターフェースに出現します。

    • そのジョブのID上をクリックすることで、そのジョブの中に入って詳細を確認することができます。

トラブルシューティング

ジョブが失敗した時、HQueueウェブインターフェース内でそのジョブのIDをクリックすることで、その原因を調べることができます。 これによって、そのジョブの中に入って、その詳細を確認することができます。 ジョブの子ジョブが失敗したら、その子ジョブのIDをクリックすることで、さらにその中に入ることができます。 最終的には、そのジョブの出力が入ったOutput Logフィールドを確認することになります。 この出力には、ジョブが失敗した原因を示したエラーメッセージが入っています。

よくあるジョブの失敗エラーと解決方法に関しては、トラブルシューティングのFAQsを参照してください。

スクリプトによるインストール

コマンドラインからのHQueueインストールは、スクリプトを組んでそのインストールを実行することができます。 これは、HQueueファームのインストールと設定を自動化したい場合に便利です。

HQueueのアップグレード

HQueueサーバーのアップグレードは、通常のHQueueサーバーインストールの工程を踏みます。 オペレーティングシステムによっては、インストーラがHQueueサーバーをインストールするのか、それとも、既存のHQueueサーバーをアップグレードするのか尋ねて来ます。 アップグレードを選択すると、サーバーファイルは上書きされますが、既存のサーバーデータベースと設定ファイルは保持されます。 インストールを選択すると、サーバーファイル、データベース、設定ファイルが上書きされます。 インストーラがインストールまたはアップグレードのどちらにするのかを尋ねて来なかった場合、インストーラはアップグレードを実施します。

HQueueサーバーを新しいバージョンにアップグレードすると、HQueueクライアントはHQueueサーバーから新しいクライアントコードを引っ張ってきて自動的にアップグレードされます。 HQueueウェブサイト内で“Upgrade <machine>”のジョブが出現するのを見かける場合がありますが、これは、クライアント自体の自動アップグレードを意味します。 自動アップグレードに失敗した場合、または、自動アップグレードが行なわれなかった場合、HQueueウェブサイトのClientsウェブページから手動でクライアントのアップグレードを要求したり(クライアントの管理を参照)、または、Houdiniインストーラを使用して新しいバージョンのクライアントをインストールすることができます。 Houdiniインストーラを使用したインストールは、既存のクライアントの設定をアップグレードして保持します。

古いHQueue Python2版ファームのアップグレード

古いHQueue Python2版ファームのアップグレードは、通常のHQueueアップグレードと同様です。

Houdiniインストーラを使用して、HQueueサーバーをアップグレードします。 インストーラは、古いHQueue Python2版サーバーを検知して、その古いサーバーのバックアップを取った後に、新規インストール/アップグレードを進めます。

古いサーバーは以下の場所にバックアップされます:

Linux

/opt/hqueue.backup.YYYY-MM-DD_HHMMSS

Mac

/Library/HQueueServer.YYYY-MM-DD_HHMMSS.bak

Windows

C:/HQueueServer_bk.MM-DD-YYYY.HHMMSS

また、インストーラは、古いサーバーデータベースと設定ファイルを新しいHQueueサーバーで必要となる新しいフォーマットに変換します。

インストールとHQueueサーバーのアップグレードの後に、古いPython2版HQueueクライアントをアップグレードすることができます。 Houdiniインストーラを使用した方法でのみ、古いPython2版HQueueクライアントをアップグレードすることができます。 HQueueウェブサイトからHQueueクライアントをアップグレードすることはできません。

インストーラは古いHQueue Python2版HQueueクライアントを検知して、その古いクライアントのバックアップを取った後に、新規インストール/アップグレードを進めます。

古いクライアントは以下の場所にバックアップされます:

Linux

/home/myUser/hqclient.backup.YYYY-MM-DD_HHMMSS

Mac

/Library/HQueueClient.YYYY-MM-DD_HHMMSS.bak

Windows

C:/HQueueClient_bk.MM-DD-YYYY.HHMMSS

また、インストーラは古い設定ファイルを新しいHQueueクライアントで必要となる新しいフォーマットに変換します。

クライアントインストールの後、新しいPython3版HQueueファームを利用できる準備が整います。 バックアップされたサーバー/クライアントのフォルダの削除は、必要に応じてあなた自身で削除してください。

オプション: hquserアカウント

オプションで、クライアントマシン上でHQueueを実行するhquserユーザとhqgroupユーザグループをセットアップすることができます。 慣例では、そのユーザIDとそのグループのIDはどちらも601で、そのユーザのパスワードはhqpassですが、それらを変更しても構いません。

Linux

Linuxディストリビューションによっては、ユーザアカウントを作成するためのユーザインターフェースが用意されていますが、用意されていなければ、adduserコマンドを使用します。

Mac

システム環境設定の ユーザとグループ パネルで、ユーザとグループを作成することができます。

クライアント間でユーザアカウントを統一するメリットは以下のとおりです:

  • 特定のクライアントにログインする必要がある時に、別のクライアントマシンの別のユーザアカウントを気にする必要がありません。

  • クライアントソフトウェアで作成されたどのファイルも所有者が1人のユーザに統一されます。

ユーザとグループを作成したら、HQueueサーバー/クライアントをhquserとして起動してください。

HQueue

はじめよう

  • HQueueについて

    HQueueは多目的なジョブスケジューリングシステムです。このシステムを利用することで、レンダリング、シミュレーション、他の処理をリモートクライアント上に分散させることができます。

  • インストール

    基本的なHQueueファームのセットアップ方法。

  • 設定

    HQueueサーバーとクライアントのオプションを設定する方法。

  • ジョブを投入する方法

    ファーム上にワークを配置する方法。

ファームの管理

  • ジョブの管理

    ファーム上のジョブを閲覧/管理する方法。

  • クライアントの管理

    ウェブインターフェースまたはローカルログインを使って、クライアントマシンを追加/削除/再起動/管理する方法。

  • クライアントグループの管理

    ウェブインターフェースまたはローカルログインを使って、クライアントマシンのグループを作成/管理する方法。

  • ネットワークフォルダ

    Network Folder管理ページの使い方。

  • リソース

    各クライアントで利用可能なリソース(例えば、ライセンス)を指定することができるので、そのジョブを実行可能なクライアントに対してそのジョブのスケジュールを組むことができます。

  • ノート

    各クライアントとジョブには、情報を記載したノートを添付することができます。

次のステップ

  • ログ

    HQueueサーバーはサーバーエラーとスケジュールイベントのログを別々に記録し、各クライアントもログを生成します。

  • アンインストールする方法

    HQueueサーバーまたはクライアントのソフトウェアをアンインストールする方法。

  • FAQs

    よくある質問の回答。

導師レベル

  • Remote API

    ネットワーク上のHQueueサーバーに接続して関数をコールすることで、ジョブや他の情報を制御したり照会することができます。

  • ジョブの仕様の詳細

    独自のジョブを投入したいユーザ向けに、ジョブの内部仕様に関する詳細を載せています。

  • 複数クライアント、単一マシン

    単一マシン上で複数のHQueueクライアントを走らせる方法を説明したガイド。