Houdini 17.0

ダイナミクス

Houdiniのダイナミクスネットワークを使用したシミュレーションの作成方法。

Houdiniでは、ダイナミクスネットワークを使ってシミュレーションを作成します。 シミュレーションオブジェクト を作成して、複数の ソルバ をそのオブジェクトに適用します。Houdiniには、たくさんの異なるタイプのシミュレーション(布、リジッドボディ、ワイヤー、流体)用のオブジェクトとソルバがあります。また、スクリプトソルバ、ジオメトリソルバ、パーティクルソルバのようなHoudiniの他のパーツとダイナミクスを統合する特別なソルバがあります。

ほとんどの基本的なダイナミクスのセットアップは、単一のシミュレーションオブジェクトをソルバに接続し、フォースを加えます。

ダイナミックシミュレーションには 拘束 があり、これは、オブジェクトの位置を他のオブジェクトの位置で拘束します。例えば、スプリング拘束は2つのオブジェクト間に目に見えないスプリングの効果を生成します。

拘束は、いわば リレーションシップ です。シミュレーションオブジェクトには、 衝突 のリレーションシップがあります。例えば、リジッドボディオブジェクトと流体シミュレーションは、お互いに影響し合います。

フォース をシミュレーションに加えることができます。異なるソルバを持つシミュレーションオブジェクトは同じフォースを共有することができ、複数のフォースを各オブジェクトに加えることができます。

ダイナミクスネットワークは、データを追加してオブジェクトのツリーを構築します。ビューポートにはシミュレーションで生成されたジオメトリのアニメーションが表示されます。Geometry Spreadsheet Viewには、スプレッドシート形式で現在の時間における各オブジェクに適用されたシミュレーションデータすべてが表示されます。

シミュレーションに追加可能なフォースは、抵抗力、風、力積(押す力)、磁場、扇風機などがあります(Drive Simulationタブを参照)。

DOP Networkを接続して同じ結果になる方法がたくさんあります。データを追加するノードは、ただ単に灰色の入力の接続線を通過するオブジェクトにデータを追加しているだけです。例えば、ネットワーク内で異なる場所にフォースのノードを置いたり、フォースのノードの Group パラメータにノード名のパターンを設定することで、あるフォースをあるオブジェクトだけに適用するように制限することができます。

例えば、以下のネットワークでは、gravity1のフォースがsphere_object1box_object1の両方に加わります。なぜなら、どちらのオブジェクトも最終的に、同じフォースのノードに接続されているからです。とはいえ、fan1の力はsphere_object1にのみ適用されています。なぜなら、そのオブジェクトのみがfan1に接続されているからです。

時間依存のエクスプレッションは、ダイナミクスでは少し異なっています。$F(現在のフレーム)と$T(現在の時間)の代わりに、$SF(シミュレーションフレーム)と$ST(シミュレーション時間)を使います。この理由は、Houdiniのダイナミクスエンジンは時々、衝突を計算するのに時間を前後するからです。このことから、$Fは同じ値を何度も行き来してしまうのに対して、$SF$STは、そのまま値が増えていくだけです。

サブトピック

ダイナミクスの学習

衝突オブジェクト

シミュレーションタイプ

Vellum

非DOPシミュレーション

次のステップ

Houdini 17.0

はじめよう

  • What’s new in Houdini 17

    Houdini 17の新機能と変更点

  • 基本

    Houdiniのユーザーインターフェースの扱い方の基本。

  • シェルフツール

    メインウィンドウの上部のシェルフにあるアイコンの使い方とカスタマイズの方法。

  • ネットワークとパラメータ

    Houdiniで作業するネットワークエディタとパラメータエディタの使い方。

  • サンプル

    色々なノードの動作方法を示したサンプルファイル。

  • ヘルプの使い方

    オンラインヘルプの使い方と独自のツールのドキュメント化の方法。

Houdiniの使い方

  • ジオメトリ

    Houdiniがどのようにジオメトリを表現し、どのように作成・編集するのか説明します。

  • コピーとインスタンス

    コピー(実形状)とインスタンス(読み込みのみ、もしくはレンダリング時に作成される形状)の使い方。

  • アニメーション

    Houdiniでのアニメーションの作成とキーフレームの方法。

  • キャラクタ

    Houdiniでのキャラクタのリグとアニメーションの方法。

  • レンダリング

    3Dシーンから画像とアニメーションをレンダリングする方法。

  • マテリアル

    マテリアルの割り当てとシェーディング用のカスタムマテリアルを作成する方法。

  • コンポジット

    Houdiniのコンポジットネットワークはレンダーなどの画像を作成し処理することができます。

  • デジタルアセット

    デジタルアセットは既存ネットワークから再利用可能なノードとツールを作成することができます。

  • インポートとエクスポート

    Houdiniでのシーン、オブジェクト、他のデータのインポートとエクスポートの方法。

  • MPlayビューア

    Houdiniのスタンドアローン画像ビューアの使い方。

ダイナミクス

  • パーティクル

    パーティクルシミュレーションの作成方法。

  • ダイナミクス

    Houdiniのダイナミクスネットワークを使用したシミュレーションの作成方法。

  • Pyro

    煙、炎、爆発のシミュレーションの方法。

  • 流体

    流体とオーシャンのシミュレーションをセットアップする方法。

  • Grains(粒)

    (砂のような)粒状の材質をシミュレーションする方法。

  • 群衆シミュレーション

    Houdiniでのキャラクタの群衆の作成とシミュレーションの方法。

  • HairとFur

    ヘアーとファーを作成、スタイリング、ダイナミクスを追加する方法。

  • Finite Elements(有限要素)

    変形可能なオブジェクトを作成してシミュレーションする方法。

ノード

  • OBJ - オブジェクトノード

    オブジェクトノードはシーン内で、キャラクタ、ジオメトリオブジェクト、ライト、カメラなどのオブジェクトを表示します。

  • SOP - ジオメトリノード

    ジオメトリノードはGeoオブジェクト内で存在し、ジオメトリを生成します。

  • DOP - ダイナミクスノード

    ダイナミクスノードは物理シミュレーション用に条件とルールを設定します。

  • VOP - シェーダノード

    VOPノードは、ノード同士を接続することで(シェーダなどの)プログラムを定義することができます。そしてHoudiniは、そのノードネットワークを、実行可能なVEXコードにコンパイルします。

  • ROP - レンダーノード

    レンダーノードは、シーンをレンダリングしたり、レンダーディペンデンシーネットワークをセットアップします。

  • CHOP - チャンネルノード

    チャンネルノードは、チャンネルデータの作成、フィルタリング、制御をします。

  • COP2 - コンポジットノード

    コンポジットノードはフィルターを作成し、画像データを操作します。

リファレンス

  • メニュー

    メインメニュー内のそれぞれの項目について説明します。

  • ビューア

    ビューアペインタイプ。

  • ペイン

    色々なペインのオプションを説明します。

  • ウィンドウ

    色々なユーザーインターフェースウィンドウのオプションを説明します。

  • スタンドアローンのユーティリティ

    Houdiniには便利なコマンドラインユーティリティプログラムがたくさんあります。

  • Pythonスクリプト

    PythonとHoudini Object Modelを使用してHoudiniのスクリプトを記述する方法。

  • エクスプレッション関数

    エクスプレッション関数は、パラメータの値を計算することができます。

  • HScriptコマンド

    HScriptはHoudiniのレガシースクリプト言語です。

  • VEX

    VEXはシェーダの記述などのHoudiniのほとんどの場所で使われているハイパフォーマンスなエクスプレッション言語です。

  • プロパティ

    プロパティはレンダリング、シェーディング、ライティング、カメラといったパラメータを柔軟で強力な階層構造でセットアップすることができます。

  • Pythonパネル

    Pythonを使用したカスタムペインタイプのスクリプトによって独自のUIを作成することができます。

  • ギャラリー

    Houdiniに含まれている既製マテリアル。

  • 環境変数一覧