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概要 ¶
クローン とは、セッション内の変更内容を自動的に検知して再レンダリングする独立したバックグラウンドHoudiniプロセスのことです。 クローン毎に異なるレンダーノード、レンダリング設定、カメラ、現行フレーム、解像度、コンテキストオプションを構成することができます。
例えば、複数のクローンを作成して、メインのHoudiniの現行フレームから前のフレームと次のフレーム($F - 1
と$F + 1
)をそれぞれのクローンでレンダリングするように設定したり、
複数のカメラから現行シーンをレンダリングできるようにクローンを作成したり、異なる品質設定や異なるレンダラーで現行シーンをレンダリングするクローンを作成したり、あるいは、これらすべてを同時に実行するクローンを作成することができます。
メインのHoudiniに変更を加えると、その変更内容がクローンにも同期されて、その変更内容で再レンダリングが行なわれます。
これによって、その変更内容が異なる設定のクローンによってどのように見えるのか確認することができます。
ビューポートではHoudini GLなどの高速なインタラクティブレンダーデリゲートを使用してシーンをレンダリングし、クローンではKarma CPUなどの最終フレームレンダーデリゲートを使用して同じシーンをバックグラウンドで自動的にレンダリングするようにセットアップすることができます。 これによって、インタラクティブで作業しながら、その変更内容がどのように最終レンダリングに影響するのかチェックすることができます。 そして、もし外部レンダリングプロセスで問題が発生しても、それはメインのHoudiniセッションには影響しません。
クローンは異なるLOPからレンダリングすることができるので、同じシーンジオメトリをレンダリングする必要はありません。 例えば、異なる部屋で共有されているライティングセットアップがあった場合、その共有されているライティングを変更するとクローンが異なる部屋をレンダリングするようにさせることができます。
コンテキストオプションを使用してシーンをセットアップすると、 このClone Controlペインインターフェースは、クローン毎に異なるコンテキストオプションの値を簡単に設定することができます。 これによって、異なるレンダー設定ノードやネットワークブランチをセットアップすることなく、クローン内でバリエーション(異なるハイレベルな“ショット”間の切り替えなど)をすぐに試すことができます。
通常では、クローンはメインのHoudiniに何か変更があると自動的に再レンダリングしますが、クローンに対して 同期の一時停止 をすることができます。 そうすると、そのクローンは、現行セットアップのレンダリングを継続し、同期の一時停止を解除しない限り、メインのHoudiniの変更内容を無視します。 これは、メインのHoudiniに何か変更があった場合でも、クローンを再起動させることなく現在の処理を終わらせたい時に役立ちます。
クローンは、ローカルワークステーションまたはレンダーファーム上で外部プロセスとして起動することができます。
Houdiniには、ローカルマシン上でクローンを起動させるランチャースクリプト、HQueueファーム上でクローンを起動させるランチャースクリプトが同梱されています。
他のレンダーファームにはプラグインランチャースクリプトが必要になります。
How to ¶
To... | Do this |
---|---|
Clone Controlパネルを表示する |
Clone Controlパネルに追加したいペインの(既存タブの右側にある) |
新しいクローンを作成する |
Clone Controlパネルの左上にある Clones をクリックしてから、 Local Clone または HQueue Clone などのランチャーを選択します。 通常では、ランチャースクリプトは、外部プロセスを設定するためのダイアログを開きます。 例えば、 Local Clone ランチャーは、外部プロセスが使用可能なスレッド数を設定することができるダイアログを開きます。 Note 新しく作成されたクローンには、レンダリングするLOPノードが設定されていません。 LOPノードが設定されていないクローンは、LOPノードが設定されない限りアイドル状態になります(以下参照)。 |
既存のクローンと同じ設定で新しいクローンを作成する |
Clone Controlパネルで、テーブル内の既存のクローンをクリックして、 Duplicate を選択します。 |
クローンがレンダリングするLOPノードを設定する |
以下のどれかの操作をします:
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クローンを接続または接続解除する |
まず最初にクローンを作成する時、そのクローンが起動中はテーブル内の Connected 列は“waiting”と表示されます。そのクローンの起動が完了してメインのHoudiniセッションと同期すると、その Connected 列は“Connected”と表示されます。 クローンの接続を解除するには、テーブル内のその Connected 列のチェックボックスをオフにします。接続解除されたクローンは走らなくなり、ライセンスを使用しなくなりますが、再開するまでそのクローンの設定を維持することができます。 (クローンをバックグラウンドで走らせ続けたいものの、メインのHoudiniセッションの変更内容に自動的に同期させたくないのであれば、接続解除ではなく、 Pause Syncing 列のチェックボックスをオンにしてください。以下参照) 接続解除したクローンを再び接続するには、テーブル内のその Connected 列のチェックボックスをオンにします。 |
メインのHoudiniセッションからの変更内容をクローンに同期させるのを一時的に停止する |
Houdiniのメインセッションで何か変更を加えられても、再起動せずにそのまま続けて現在のバックグラウンドレンダリングを終了させたい場合があります。 クローンの同期を一時停止するには、パネルの Paused 列のチェックボックスをオンにします。 クローンに対して“Pause Sync”を有効にすると、クローンは引き続きバックグラウンドで走りますが、メインのHoudiniセッションからのシーンの変更内容を自動的に受け取りません。 |
プレビュー画像のサイズを変更する |
テーブル内の Image 列の幅を変更します。各行の高さは、その Image 列の幅に対して適切なアスペクト比で画像がフィットするように変更されます。 |
プレビュー画像を隠す |
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クローン設定を編集する |
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コンテキストオプションの扱い方 ¶
シーン内にコンテキストオプションが使用されている場合、Clone Controlパネルインターフェースは、簡単にクローン別に異なるコンテキストオプションの値を設定することができます。 VEXスニペット、スクリプト、エクスプレッションでのコンテキストオプションの使い方の詳細は、コンテキストオプションを参照してください。
To... | Do this |
---|---|
1つ以上のクローンに対して異なるコンテキストオプション値を使用する |
これは、テーブルにそのコンテキストオプションの列を追加します。
クローンのこの列のセルをダブルクリックすることで、そのクローンにのみコンテキストオプション値を設定することができます。
セルの値が空っぽ、または、 |
コンテキストオプション列を除去する |
テーブル内で、そのコンテキストオプション列のテーブルヘッダまたはそのコンテキストオプション列内の任意のセルを |
クローンのエラーログを確認する ¶
クローンがレンダリングされない場合、メインのHoudiniセッションでLog Viewerを使用して、そのクローンからのエラーログを調べることができます。
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現在のデスクトップにLog Viewerペインを追加します。Log Viewerペインを追加したいペインの(既存タブの右側にある)
New Tabボタンをクリックして、 New Pane Tab Type ▸ Log Viewer を選択します。
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Log Viewerペインの
Connected logging sources アイコンをクリックして、 Clone Logs をオンにします。
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クローンログのみを表示するには、
Filter Logging sources アイコンをクリックして、他のソースをオフにします。
クローンログの Source 列には、クローン名が入ります。フィルターフィールドにクローン名を入力することで、そのクローンのログのみを表示することができます。
メモ ¶
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各クローンは、非グラフィカルなHoudiniバッチプロセスです。各クローンはライセンスを使用します。これらは非グラフィカルなので、何かしらの理由でクローン内で走っているPythonスクリプトが
hou.ui
の関数を使用しようとすると、例外が引き起こされます。 -
Connected(接続済みの) クローンはバックグラウンドで走っていて、LOPノードが変更されると、メインのHoudiniセッションの変更内容を自動的に同期させてレンダリングします。 Disconnected(未接続の) クローンは走っておらず、ライセンスを使用しません。接続を解除すると、クローンは設定を保持したまま停止することができます。
クローンの接続、接続解除、同期の一時停止の方法は、上記の“How to”セクションを参照してください。
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クローンは、USD/SolarisとHydraレンダーデリゲートでのみ動作します。
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ビルトインのランチャーでは、 Thread Count を
0
(デフォルト)に設定すると、コンピュータのコア数が最大スレッド数として使用されます。マイナス値は、“コア数からこの数を引く”という意味です。例えば、-1
は、マシンのコア数から1を引いた数が最大スレッド数に設定されます。
ツールバー ¶
Clonesメニュー
このメニューの上部には、Houdiniパスで見つかった各ランチャースクリプトのエントリが入ります。
HQueue Clone
HQueueサーバーが起動している必要があります。
これは、クローンに使用するHQueueサーバーのアドレスとジョブ設定を指定するダイアログを開きます。
Local Clone
コンピュータ上でクローンを別プロセスで起動します。 これは、クローンが使用する最大スレッド数を設定するダイアログを開きます。
Add Context Option Column
上記のコンテキストオプションの扱い方を参照してください。
Reload Launchers
Houdiniパスからランチャースクリプトを再スキャンして、それらのスクリプトをリロードします。 これは、独自にランチャースクリプトを開発している時に役立ちます。
Clear Disconnected Clones
クローンが現在接続されていない場合、テーブルからそのクローンを除去します。
Viewメニュー
テーブル内の個々の列を表示/非表示することができます。
これは、 Image 列を表示/非表示するショートカットです。
クローンのランチャープラグインの書き方 ¶
TBD.