Houdini 20.5 MPM

MPM vs 他のソルバ

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概要

他のソルバの代わりにMPMを使用するべきタイミングは、よく聞かれる質問です。 その基本的な答えは、シミュレーションで複数のマテリアルを相互に作用させたい場合は、他のソルバよりもMPMを使用すべきということです。 現在のところ、このような相互作用を処理できるソルバはMPMのみです。

当初、MPMは、雪や土のように塊が引っ付いて大きな塊になっていくような弾塑性の“塊状”のマテリアルを効率良く計算する方法として導入されました。 この効果は他のソルバを使って実現するのが非常に困難なので、MPMはそのようなタイプのマテリアルに最適です。

MPM vs FLIP

MPMはFLIPに非常に似ています。 MPMはFLIPと同じデータ構造(パーティクルとバックグラウンドグリッド)を使用します。 前述のとおり、水を他のマテリアルと相互作用させる必要がある場合はMPMを使用するべきです。 例えば、ビーチシミュレーションにおいて、水と砂を物理的に相互作用させる必要がある場合、MPMを使用する必要があります。 しかし、砂が静的コライダーで、高解像度のビーチをディテールの細かい水でシミュレーションしたい場合はFLIPを使用します。

水と砂が相互作用するMPM。
砂が静的コライダーのFLIP流体。Igor Zanic氏による画像提供。

FLIPはホワイトウォーターワークフローに上手く統合されているので、水飛沫や他のディテールがたくさんあるような流体を処理する場合はMPMよりもFLIPの方が良いです。

MPM vs Bullet

MPMは、FEMでの作業と同じ用に、事前粉砕工程をスキップして、フォース任せで作業を行なうことができます。 また、MPMシミュレーションの結果から出力されるポイントクラウドは、四面体よりも面白い粉砕パターンを生成します。

しかし、Bulletはリジッドボディ(剛体)に非常に特化したソルバであるため、その類の作業では効率が良いです。 金属とコンクリートはどちらも他のMPMマテリアルタイプと比べて非常に硬いマテリアルです。 このような硬いマテリアルには、非常に多くのサブステップ数が必要で、シミュレーション時間も遅くなります。

コンクリートが水中に落下するといった、複数のマテリアルがシームレスに相互作用させる必要がある場合には、MPMの方が良い選択肢となります。

MPM vs Vellum

MPMは、硬いマテリアルの大きな塊を高解像度でそのまま一緒に維持するのが非常に得意ですが、これはVellumでは難しい傾向にあります。 Vellumはとても崩れやすいので、そのような目的の効果を作成するのは難しいです。 雪と土は、どちらともMPMが非常に得意とする分野です。 乾いた砂の場合、塊は要らないので、通常ではVellumの方が良い選択肢になります。

Vellumは、コリジョンオブジェクトを伝って滴り落ちる流体のような小規模な流体エフェクトの処理でも効率が良いです。 例えば、顔や身体から滴り落ちる汗や血がそうです。 また、GrainsはMPMよりもシミュレーションが速く、MPMと違って大元にグリッドがないので、Sparse(疎)シミュレーションに最適です。 MPMとVellumはどちらも流体シミュレーションに関してはFLIPよりも高速です。

MPM

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MPM Configureサンプル

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