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Houdini20.5のStage Manager LOPは全面的に改訂され、インターフェースのレイアウトと機能の両方で多くの改良が施されました。
Stage Managerのユーザインターフェースは、2つのメインの列で構成され、そこには複数のタブが含まれています。 File Browser から Scene Graph へなど、列間でアイテムをドラッグすることができます。 Stage Managerは、複製、バリアント選択、コピーアンドペースト、トランスフォーメーション、アセット管理をはじめとする様々な機能をサポートするようになりました。 このノードは、明確に構造化されたUIを備えたコントロールセンターとして、多くのUSD関連のワークフローで役立ちます。
Solaris ステージ にStage Managerを追加すると、マウスカーソルをビューポート内に移動してEnterを押すことで、ノードの最も重要なショートカットを含むHUDをオンにすることができます。 HUDを終了するには、 ⎋ Escを押します。
Scene Graph Tree ¶
Stage ManagerのScene Graph Treeは、HoudiniのSolarisデスクトップのツリーの軽量化バージョンです。
LOPでは、パス、可視性、アクティベーションが含まれています。
ツリーから参照を削除するためのや、子を追加するための
など、その場で表示されるボタンもあります。
Scene Graph は独立したUI要素ではなく、Stage Manager UIの右の列のタブや Transforms タブとやり取りすることに注意してください。 Scene Graph Treeとマネージャの他のタブとの相互作用の詳細については、このヘルプの適切な章を参照してください。
もちろん、複数のエントリを⇧ Shiftクリックして、それらの可視性およびアクティベーションの状態を一度に変更することもできます。 また、エントリの名前をダブルクリックすることでその名前を変更することもできます。
メニューを右クリックすると、コピーアンドペースト、複製、グループ化など、様々な便利な機能が表示されます。 グループ化は、⌃ Ctrl + Dショートカットを使用してもアクセスすることができます。 このアクションはすべての選択された参照を複製し、元の参照と同一レベル内に兄弟を作成します。
⌃ Ctrl + Cおよび⌃ Ctrl + Vショートカットを使用して、Scene Graph Tree内のプリミティブをコピーアンドペーストすることもできます。 クリップボードから1つ以上の参照にアイテムをペーストするには、アイテムを選択して⌃ Ctrl + Vを押します。 選択に応じて、動作は異なります。
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単一のアイテムにペースト:子としてペーストします。
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コピーしたアイテムと同じアイテムにペースト:コピーした各アイテムの兄弟としてペーストします。
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複数の異なるアイテムにペースト:
root
レベルにグループを作成し、子としてペーストします。
Transforms ¶
このタブには、Scene Graph Treeのノードと、XYZ方向の位置、回転、スケールの現在のトランスフォーメーションが表示されます。
Edit LOPに慣れている方であれば、 Transform タブのレイアウトに見覚えがあるかもしれません。
UIと機能の点ではまったく同じだからです。
ビューポートでこれらのパラメータのいずれかを変更すると、Stage Managerで新しい値を直接確認することができます。 または、エントリをダブルクリックすることで値を入力することもできます。
参照を選択すると、トランスフォームハンドルが自動的に有効になります。 複数を選択した場合は、すべての選択したアイテムの重心にハンドルが表示されます。
Edit LOPと同じように、チェックボックス付きの Physics 列もあります。
Note
Stage Managerでは、Physicsは現在実験段階です。 Edit LOPとStage Manager LOPでは、 ステージ の処理方法が根本的に異なるため、正常に動作しない可能性があります。
このPhysicsオプションを使用するには、Stage Manager LOPを選択してビューポートに移動します。 ビューポートの上部にツールバーが表示されます。そこで、 Use Physics をオンにします。
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可動させたいPrimを選択し、ビューポートツールバーの Add Physics をクリックするか、Stage Managerの Transforms タブで適切なチェックボックスをオンにします。 選択したPrimの位置と回転がシミュレーションの影響を受けるようにすることができます。 選択されていないPrimは、動かない静的コライダーとして作用します。
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ハンドルを使用して、選択したPrimすべてを一度にトランスフォームすることができます。
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または、選択したPrimをドラッグすることで、その位置でそのPrimを“押したり/引いたり”することもできます。 ドラッグしたPrimによって、他の選択されたPrimsに影響を与えることができます。 選択されていないPrimは、動かない静的コライダーとして作用します。
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選択したPrimを⇧ Shiftドラッグすることで、選択したすべてのPrimを一度に“押したり/引いたり”することができます。
を使用して、選択したPrimをPhysicsを使って上げ下げすることができます。これは、自然な感じでオブジェクトを積み上げるのに役立ちます。
Inspector ¶
Inspector タブは、情報を確認できるだけでなく、アセットのオブジェクトおよびマテリアルバリアントを使用するための汎用的で便利なツールでもあります。
例えば、複数のバリアントを持つアセットをロードし、それを選択すると、タブのUI要素が完全に機能するようになります。
Kind ドロップダウンメニューを見るとcomponent
がロードされたことが分かりますが、別のKindを割り当てることもできます。
メモリを節約するには、プリミティブをネイティブインスタンスにして、インスタンス化可能として明示的にマークします。 USDは、2つのタイプのインスタンス化をサポートしています。
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インスタンス化可能Prim。同じブランチの複数のコピーが共有ストレージのエイリアスになります。
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ポイントインスタンス。USDにはポイントとそれらのポイント上にコピーするプロトタイプが格納され、レンダリング時にのみそれらのコピーが描画されます。
Tip
インスタンスの詳細を知りたい場合は、インスタンスページを読むことを推奨します。
Variant Sets セクションでは、適切なドロップダウンメニューからマテリアルおよび/またはジオメトリを選択することで、アセットのバリアントを素早く切り替えることができます。 選択したオブジェクト/マテリアルは、ビューポートに表示されます。 Variant Sets は、複数選択には利用でき ない ことに注意してください。
Reference Details セクションは、デフォルトで折り畳まれています。
展開すると、そのパラメータを確認することができます。
Reference Prim ボタンを押すと、参照するPrimを選択できるポップアップダイアログが開きます。
現時点では、 Asset Paths と Resolved Asset Paths は同一ですが、今後変更される予定です。
File Browser ¶
デフォルトで、 File Browser には、お使いのコンピュータのユーザディレクトリのツリー構造が表示されます。 ブラウザは、Scene Graph Treeと同じように機能し、折り畳んだり展開することができます。 別のドライブにジャンプする場合は、入力フィールドにルートパスまたは完全なパスを入力します。 入力フィールドを空白のままにすると、マウントされているすべてのドライブが表示されます。 入力フィールドの横にあるドロップダウンメニューには、最後に使用したパスの履歴が保存されます。
ツリーのドライブやフォルダを展開して、USDファイルまたはアセットフォルダに移動することができます。 シーンにファイル/フォルダを追加するには、2つの方法があります。アイテムを以下にドラッグします。
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Scene Graph タブのScene Graph Tree
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ビューポートにドラッグし、Enterを押してオブジェクトを追加
または、外部のファイルブラウザ(通常はオペレーティングシステムのもの)を使用することもできます。 この方法では、上記と同じやり方(ツリーまたはビューポートにドラッグ)を使用できます。
File Browser から Scene Graph の参照にアイテムをドラッグする時は、以下のオプションがあります。
-
File Browser から既存の参照にエントリをドラッグすると、新しいアイテムが子になり、適切な Kind が設定されます(Group親 →
component
子、Component親 →subcomponent
子)。 カスタムの種類に対応できるよう、 Kind 階層はこれ以上は自動的に設定されないことに注意してください。 子の Kind を変更する必要がある場合は、 Inspector タブで変更することもできます。 -
既存の参照に⌃ Ctrlドラッグすると、元の名前を維持したまま、参照が置き換えられます。 変更結果は、 Inspector タブの Reference Prim パラメータで確認することができます。
Asset Catalog ¶
Asset Catalogは、Layout Asset Galleryとも呼ばれるもので、機能はそのリンクで説明したものとまったく同じです。
もちろん、カスタムのカタログをロードし、 ステージ に独自のアセットを追加することできます。 アセットに複数のバリアントがある場合は、 Inspector タブの Variant Sets セクションで確認でき、ドロップダウンメニューからマテリアルまたはジオメトリを選択できます。
Asset Catalog は、 File Browser と同じドラッグオプションをサポートしています。
Stage Managerの使用 ¶
前の章では、Stage Managerで何ができるかを説明しましたが、実際のところ、それにはどのような意味があるのでしょうか? 一般的なシナリオとしては、オブジェクトまたはマテリアルバリアントを含むアセットの使用が挙げられます。 Stage Managerを使用すると、コピー、親子ペア、グループを作成してシーンに素早く追加したり、数回クリックするだけで様々なマテリアルを適用することができます。
以下の例では、テクスチャバリアントを持つ多数のオブジェクトを素早く作成する方法について説明します。 ここでのオブジェクトは、カスタムのAasset Catalogからの様々なカラーの薬瓶です。 カタログは既に準備されているものとします。
カタログをロードする ¶
Stage Managerには、アセットカタログの組み込みのインスタンスがあります。
をクリックし、 Open Asset Database File… を選択してカタログをロードします。
Stage Manager LOPを配置し、 Scene Graph タブがアクティブになっていることを確認します。 次にマネージャの、右側の列で、 Asset Catalog タブを開いてカタログのエントリを確認します。
アセットを追加する ¶
アセットをシーンに追加するには、アセットをカタログから Scene Graph Path 領域にドラッグします。すると、それが/
下に表示されます。
ビューポートにはトランスフォーメーションハンドルも表示され、他のオブジェクトのようにアセットを配置、回転、スケールできます。
なお、Stage Managerは新しいアセットを追加しますが、 stage そのものに新規ノードを追加しません。
この仕組みによって、すっきりと整理されたコンパクトなネットワークを維持しやすくなります。
Inspector タブに、利用可能な Variant Sets が表示されます。 例えば、複数のマテリアルを持つ単一のアセットや、1つの共有マテリアルを持つ複数のアセットなどです。 このシーンでは、 任意 の利用可能なオブジェクトに 任意 のマテリアルを割り当てることができます。
続けて他のアセットを追加し、シーンに配置できます。または、既存のアセットのコピーを作成し、ばら撒くこともできます。
複製 ¶
現在選択されているアセットを複製するには、⌃ Ctrl + Dショートカットを使用するか、Scene Managerの Scene Graph でエントリをクリックして Duplicate を選択します。
複数のエントリを選択するには、オブジェクトを⌃ Ctrl +
クリックします。
興味深いのは、コピーしたオブジェクトを別のバリアントで置き換えたり、利用可能なマテリアルの1つを割り当てられることです。 これを行なう時、元のアセットの名前はScene Graph Treeで更新されず、維持されます。 ただし、ツリーのエントリをダブルクリックして名前を変更することはできます。
⌃ Ctrl + Cおよび⌃ Ctrl + Vを押してアセットをコピーアンドペーストすることもできますが、結果は複製と同じです。 唯一の違いは、クリップボードにアセットを保存して、その場で再利用できるのが便利である点です。
子 ¶
Asset Catalogのエントリ(=子)をScene Graph Treeのエントリ(=親)に直接ドラッグして、親子ペアを作成できます。 親をトランスフォームすると、すべての子にもまったく同じトランスフォームが実行されます。 しかし、子をトランスフォームすることも引き続き可能です。 この場合、親は影響を受けません。
グループ ¶
アセットをグループ化するには、Scene Graph Treeのエントリを⌃ Ctrl + クリックします。
次に、いずれかのエントリを
クリックして、 Grouping を選択するか、⌃ Ctrl + Gを押します。
オブジェクトは、
group1
エントリの下に表示されます。
グループの名前は、ダブルクリックで変更することができます。
以下を行なえるようになります。
-
グループ全体または個々のグループメンバーを移動、回転、スケールできます。
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グループおよびその要素を複製できます。
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グループを親オブジェクトの子にすることができます。