Houdini 20.5 Copernicus

ハッチング

Copernicusネットワークでハッチングを使用する方法を説明します。

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概要

Copernicusノードと以下のコンテンツライブラリのHDAを使用することで、シーンに ハッチング を加えることができます。 Copernicusシーンでハッチングを使用することで、描画エフェクトを追加することができます。 ハッチングは、シェーディングでの光のグラデーションと密度に影響を与えます。

コンテンツライブラリにアクセスすることで、ハッチング用HDAをダウンロードすることができます。このプロジェクトファイルには、以下のビルトインHDAが含まれています:

  • Hatching

    Hatching HDAは、ハッチングレイヤを重ねて、クロスハッチングエフェクトを適用します。

  • Hatch Tile

    Hatch Tile HDAを使用すると、水平、垂直、クロスのハッチングを適用することができます。 そして、それらのハッチングの密度、スケール、長さを制御することができます。 このHDAノードのサブネットワーク内にあるHex Tile COPは、Hatches TilingパラメータとTiling Blendパラメータを制御しています。 また、 Hatching Shape パラメータにSOPを指すことで、そのジオメトリ形状をHatch Tileに適用することができます。

  • Tangent

    Tangent HDAは、グラデーションを計算し、光がシーン全体でどのように変化し分布するのか影響を与えます。

適用可能な色々なハッチングタイプのサンプルを以下に載せます:

  • Crosshatching(クロスハッチング)

  • Circulism(円を描くような線)

  • Contouring(輪郭線)

  • Scribbling(走り書き)

  • Stippling(点描)

  • Blending(汚し)

輪郭線や色の使い方などもっと複雑なハッチングワークフローは、コンテンツライブラリを参照してください。

ハッチタイルを追加する方法

シーンにHatch Tile HDAノードを追加するには、以下の手順に従います。

  1. COPネットワーク内にFile COPを作成して、画像または動画を読み込みます。

  2. Hatch Tile HDAノードを追加し、ハッチングタイプを設定します。

  3. そのFile COPのC出力をそのHatch Tileノードのcamera_ref入力に接続します。

  4. (オプション)さらにいくつものHatch Tileノードを追加し、そのFile COPのC出力を各Hatch Tileノードのcamera_ref入力に接続します。

ハッチタイルをブレンドする方法

複数のHatch Tile HDAノードをブレンドするには、以下の手順に従います。

  1. ハッチタイルを追加した後、Constant COPRamp COPSequence Blend COPを追加します。

  2. そのConstant COPの出力を各Hatch Tileノードのdirection入力に接続します。

  3. そのFile COPのC出力をそのRamp COPのsize_ref入力に接続します。

  4. そのRamp COPの出力をそのSequence Blend COPのblend入力に接続します。

  5. 追加した各Hatch Tileノードの出力をそのSequence Blend COPのimage入力に接続します。各Hatch Tileノードにはimage入力があるはずです。

方向が均一なハッチングを適用する方法

直接ディフューズでハッチをブレンドして、方向が均一なハッチングを追加するには、以下の手順に従います。 これは、すべてのハッチが同じ方向を向いていることを意味します。

  1. COPネットワーク内にFile COPを作成して、画像または動画を読み込みます。

  2. ブレンドしたい数だけHatch Tile HDAノードを追加し、それらのHatch Tile HDAノード別にハッチングタイプを設定します。

  3. Mono COPを追加します。

  4. そのFile COPのC出力を、各Hatch Tileノードのcamera_ref入力とそのMono COPのsource入力に接続します。

  5. Channel Join COPを追加し、 Signature パラメータをUVに設定します。

  6. そのMono COPの出力をそのChannel Join COPのred入力とgreen入力に接続します。

  7. Constant COPを追加します。このCOPの値は、ハッチングの方向を決めます。

  8. そのChannel Join COPの出力をそのConstant COPのsource入力に接続します。

  9. そのConstant COPの出力を各Hatch Tileノードのdirection入力に接続します。

  10. Sequence Blend COPを追加します。

  11. 各Hatch Tileノードの出力をそのSequence Blend COPのimage入力に接続します。各Hatch Tileノードにはimage入力があるはずです。

  12. さらにもう1つMono COPを追加し、その名前をDirect Diffuseに変更します。

  13. そのFile COPのdirectdiffuse AOV出力をそのDirect Diffuseノードの入力に接続します。

  14. Remap COPを追加します。

  15. そのDirect Diffuseノードの出力をそのRemap COPのsource入力に接続します。

  16. そのRemap COPの出力をそのSequence Blend COPのblend入力に接続します。 そのSequence Blend COPのディスプレイフラグを有効にすると、ブレンドされたハッチングが表示されます。

方向が不均一なハッチングを適用する方法

方向が均一なハッチングを追加するには、以下の手順に従います。 これによって、ハッチングをライティングのグラデーションにどのように追従させるのか制御することができます(以下の画像サンプルを参照)。 このワークフローは、解像度を下げて、そのグラデーションを計算してから、画像のグラデーションを上げます。

  1. COPネットワーク内にFile COPを作成して、画像または動画を読み込みます。

  2. Hatch Tile HDAノードを追加し、ハッチングタイプを設定します。

  3. そのFile COPのC出力をそのHatch Tileノードのcamera_ref入力に接続します。

  4. Null COPを追加します。

  5. そのFile COPのdirectdiffuse AOV出力をそのNull COPの入力に接続します。

  6. Denoise AI COPを追加します。これは、隣接ピクセル間の差(ノイズ)を小さくします。

  7. そのNull COPの出力をそのDenoise AI COPのsource入力に接続します。

  8. Mono COPを追加し、その名前をDirect Diffuseに変更します。

  9. そのDenoise AI COPの出力をそのDirect Diffuseノードの入力に接続します。

  10. Tangent HDAノードを追加します。さらにノイズを減らすために Pixel Scale パラメータを2に設定します。

    Note

    Tangentノードの Pixel Scale パラメータを1に設定すると、ビューポートには、領域の画像が表示されます。

  11. そのDirect Diffuseノードの出力をそのTangent HDAノードの入力に接続します。

  12. そのTangentノードの出力をそのHatch Tileノードのdirection入力に接続します。 そのHatch Tileノードのディスプレイフラグを有効にすると、ハッチングがライティング周辺に分布しているのが分かります。

方向ハッチングを合成する方法

方向が均一なハッチングと不均一なハッチングを合成するには、以下の手順に従います。 例えば、方向が均一なハッチングはシーンの背景に追加し、不均一なハッチングはキャラクタに追加するといったことができます。

  1. COPネットワーク内にFile COPを作成して、画像または動画を読み込みます。

  2. ブレンドしたい数だけHatch Tile HDAノードを追加し、それらのHatch Tile HDAノード別にハッチングタイプを設定します。

  3. Mono COPを追加し、その名前をDirect Diffuseに変更します。

  4. そのFile COPのdirectdiffuse AOV出力をそのDirect Diffuseノードの入力に接続します。

  5. そのDirect Diffuseノードの出力を各Hatch Tileノードのcamera_ref入力に接続します。

  6. Sequence Blend COPを追加します。

  7. そのHatch Tileノードの出力をそのSequence Blend COPのimage入力に接続します。各Hatch Tileノードにはimage入力があるはずです。

  8. Remap COPを追加します。

  9. そのDirect Diffuseノードの出力をそのRemap COPのsource入力に接続します。

  10. そのRemap COPの出力をそのSequence Blend COPのblend入力に接続します。

  11. さらにもう1つMono COPを追加し、その名前をDirect Diffuseに変更します。

  12. そのFile COPのdirectdiffuse AOV出力をそのDirect Diffuseノードの入力に接続します。

  13. Tangent HDAノードを追加します。さらにノイズを減らすために Pixel Scale パラメータを2に設定します。

  14. そのDirect Diffuseノードの出力をそのTangentノードの入力に接続します。

  15. Null COPを追加し、その名前をLIGHTING_DIRECTIONに変更します。

  16. そのTangentノードの出力をそのLIGHTING_DIRECTION Null COPの入力に接続します。

  17. Constant COPと2つのRamp COPsを追加します。

  18. そのConstant COPの出力を各Ramp COPのsize_ref入力に接続します。

  19. 2つ以上のTangent HDAノードを追加します。

  20. 各Ramp COPの出力を1つのTangentノードの入力に接続します。これらのRamp COPは、別々のTangentノードに接続されているはずです。

  21. Blend COPを追加します。

  22. 1つのTangentノードの出力をそのBlend COPのbg入力に、もう1つのTangentノードの出力をfg入力に接続します。

  23. さらにもう1つNull COPを追加し、その名前をSTATIC_DIRECTIONに変更します。

  24. そのBlend COPの出力をそのSTATIC_DIRECTION Null COPの入力に接続します。

  25. そのFile COPのCryptoMaterial AOV出力を、方向が不均一なハッチングが適用されるオブジェクトを除去するマスク入力に接続します。

  26. さらにもう1つBlend COPを追加します。

  27. そのLIGHTING_DIRECTION Null COPの出力をそのBlend COPのbg入力に接続します。

  28. そのSTATIC_DIRECTION Null COPの出力をそのBlend COPのfg入力に接続します。

  29. マスクをそのBlend COPのmask入力に接続します。

  30. そのBlend COPの出力を各Hatch Tileノードのdirection入力に接続します。 そのSequence Blend COPのディスプレイフラグを有効にすると、方向が均一なハッチングと不均一なハッチングが適用された出力が表示されます。

メモ

  • Hatch Tileノードはサブネットワーク内にHex Tile COPを使用しているので、ハッチのスケール( Hatches Length )とタイルのスケール( Tile Size )のバランスを調整する必要があります。 例えば、それらのスケールのバランスが取れていないと、六角形タイル間に継ぎ目が表示されてしまいます。ハッチとタイルのバランスを取るには、 Weight Exp を使用します。

  • directdiffuse AOVは、レンダリングから取得された直接照明を表現したチャンネルデータです。 このデータを使用することで、ハッチングの方向を制御する接線ベクトルを計算することができます。 また、このデータを使用することで、反射を足すといった、もっと複雑なライティングのグラデーションを作成することができます。 directdiffuse AOVを使用してHatch Tilesをマッピングする場合、テキスチャによってハッチが変更されてないように、そのdirectdiffuseがテクスチャでないようにしてください。

  • アニメーションシーンでは、方向ハッチングを使用すると、ノイズが泳いだような効果が生成されてしまいます。ライティングのグラデーションを必要とするオブジェクトには、方向が不均一なハッチングを使用することを推奨します。 シーン内の他の領域には、ジオメトリまたは方向が均一なハッチングを使用してください。

Copernicus

基本

次のステップ

  • Slap Comp(仮コンプ)

    Slap Comp(仮コンプ)は、最終合成のおおよその結果をライブで確認するのに役立つ高速な画像制御機能です。

  • OpenFX

    OpenFXとは何か、そして、ネットワーク内でそれを使用する方法について説明します。

  • ハッチング

    Copernicusネットワークでハッチングを使用する方法を説明します。

  • How to ONNX Inferenceの使い方

    ONNX Inferenceノードでモデルを使用して推論を適用する方法について説明しています。

  • CopernicusのTips

    COPを使用する時に役立つテクニックと情報。

高度な概念

  • 法線

    Copernicusネットワークが使用する法線を定義します。

  • 空間

    Copernicusネットワークが使用する空間を定義します。