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Karma CPUとXPU ¶
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OpenEXR用の新しいOIIOベースのドライバがデフォルトで有効になりました。 Houdiniは、デフォルトでKarma、COP、MPlayからマルチパートOpenEXRファイルを保存します。
HOUDINI_OIIO_EXR
環境変数を0
に設定することで、この挙動を無効にすることができます。 -
KarmaのUSD対応した新しいレンズシェーダワークフローのおかげで、アーティストがもっと簡単にレンズシェーダを扱えるようになりました。特にパラメータをアニメーションさせる時がそうです。 他にも、レンズシェーダはブルーノイズに対応しました。
ちゃんとUSD対応したシェーダを作成できるように
Karma Lens Material LOPが追加されました。
Camera LOPに Lens Material パラメータが追加されました。 これによって、
ボタンを使ってレンズマテリアルをUSDマテリアルに割り当てることができます。 このボタンは、Karma Lens Materialノードを作成し、自動的にそのノードをカメラに接続してくれます。
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Karma Render Properties LOPでもはやレンダーデリゲートを指定できなくなりました。 以前のバージョンでは、これができていたことが原因で、どのデリゲートがレンダリングに使用されるのかいつも明確でなかったので、混乱を招いてしまうことが多かったです。 それに伴って、“Render engine mismatch”メッセージはもはや表示されません。 現在では、デリゲートを決定する 唯一 の関連インスタンスは
USD Render ROPのみです。
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Karmaに新しく
abortnogpudevice
レンダープロパティが追加されました。 このレンダープロパティは、動作するGPUデバイスがなかった時にレンダー処理をキャンセルします。 これは、特にKarma XPUでレンダリングするファームが動作するGPUデバイスがあるかどうかを検出するのに役立ちます。この機能は、Karma Render Properties LOPで見つけることができます。 Engine Settings パラメータを XPU Parameters に設定したら、 Advanced ▸ Driver タブにある Cancel Render on No Working GPU Devices チェックボックスを有効にすることができます。
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Karma CPUとXPUで、基本カーブとメッシュに加速ブラーのサポートが追加されました。
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Karmaは、Deep画像レンダリングに使用されるメモリを追跡するようになりました。
Karma CPU ¶
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他のソリッドジオメトリと交差した部分的不透明なサーフェスのレンダリングが改善されました。このようなタイプのレンダリングでは、アーティファクトや穴が発生してしまう場合がありました。今回の新しい手法では、綺麗で正確な結果が生成されます。
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アンビエントオクルージョンAOVでボリュームプリミティブのサポートが追加されました。
Karma XPU ¶
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Karma XPUは、ドライバーのバージョンが555以降のOptixエンジンで“Shader Execution Reordering”(SER)を使用します。 シーンによっては、Ada Lovelace GPU(および、それ以降のアーキテクチャ)ではレンダリングが約2倍高速になります。 一部のシーンでは、そのSERの恩恵が得られず、以と同じ速度でレンダリングされる場合があることに注意してください。
以下の画像は、Houdini20(左)とHoudini20.5(右)でKarma XPUを使用して同じレンダリングをした比較です。 Houdini20.5ではレンダリング完了に1分37秒かかっているのに対して、Houdini20ではその時点でまだ30%です。
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Karma XPUによるコンパイルとレンダリングパフォーマンスが全体的に改善されました。
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Karma XPUでは、非常に高速な(または複数の)GPUと低速なCPUを組みわせた時にパフォーマンスを向上させるために、AOVデータ(Deep画像、Cryptomatteなど)の書き出し処理をマルチスレッドにできるようになりました。 これは、
KARMA_XPU_NUM_PER_DEVICE_BLENDING_THREADS
環境変数で有効にすることができます。 -
Karma XPUが
MtlX Ambient Occlusion VOPに対応しました。
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Karma XPUは、より多くのAOVを出力できるようになりました。
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Mition Vectors、Velocity
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Ambient Occlusion
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Facing Ratio(N.I) - シェーディング法線と入射光線方向の内積
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Geometric Facing Ratio(Ng.I) - ジオメトリ法線と入射光線方向の内積
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N(Camera Space)、N(Facing)
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Karma XPUでは、
MtlX Geometry Property Value VOPとUSD Primvar Reader VOPのノードは、Karma CPUと同様に厳格な型指定が強いられるようになりました。 そのノードの型(例えば、
float
)がPrimvarデータの型(例えば、color3
)と同じでない場合、代わりにそのノードのデフォルト値が返されます。 -
Karma XPUで、LPE AOVに
coat
BSDFラベルを使用できるようになりました。 -
Karma XPUは、PixarのRenderManデノイザで使用されている
mse
とvariance
のピクセルフィルターに対応しました。 -
Karma XPUでは、MaterialXの
emission
は、Standard Surfaceで定義されているコーティング下にある時はSchlick Fresnelウェイトで減衰されるようになりました。 -
Karma XPUでは、MaterialXの
opacity
は、Standard Surface定義で指定されているモノクロの不透明度のみをサポートするようになりました。 -
Edit Properties LOPを通じて、
karma_blur
、karma_pixelblur
、karma_width
、karma_scolorspace
のテクスチャ品質系入力がXPUでサポートされました。 -
Karma XPUは、カーブジオメトリライトをサポートしました。
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Karma XPUは、Variance Oracle(別名“adaptive sampling”)をサポートしました。
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Karma XPUで、背景プレートの機能が改善されました。この背景プレートは今ではMaterialXネットワークとなり、背景ホールドアウトオブジェクトは、影を落としたり、前景エレメントからの影を受け取ることができます。 しかし、背景ホールアウトオブジェクト自身に影を落とすことは許可されていません。
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Karma XPUでのポイントレンダリングがKarma CPUと一致するようになり、 Render Points as モードにはSpheresに加えて2つのモード( Discs と Oriented Discs )が追加されました。 Karma Render Settings LOPでこれらの新しいモードを見つけることができます。 そのLOPの Rendering ▸ Geometry and Shading タブを開き、 Render Points as ドロップダウンメニューから Discs または Oriented Discs を選択することができます。
別の方法だと、
Render Settings LOPを使用します。 そのLOPの Karma ▸ Default Geometry Settings タブの Geometry セクションに Render Points as ドロップダウンメニューがあります。
レンダリング ¶
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新しく追加された
Karma Sky Atmosphere LOPは、リアルなボリュームの惑星大気システムです。 オゾン、色々な散乱方法、惑星の地面が大気に与える影響などの効果を模倣できるようになりました。 特にHoudiniの雲がこの新しいシステムの恩恵が得られますが、それだけでなく、雰囲気のある夕焼けを作成したり、特定の気象条件をシミュレーションすることもできます。
他にも
Karma Physical Sky LOPに Atmospheric モードが用意されました。 これがお勧めのワークフローです。 このモードを使用すれば、物理的な大気システムとボリュームの大気システムの良いところを組み合わせて、時間帯や場所に応じた素晴らしい効果を実現することができます。 以下の画像は、Houdini20(左)とHoudini20.5(右)で同じ雲をレンダリングした結果です。
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Karmaでは、新しく追加された
--slap-comp
コマンドライン引数を使用してhuskをSlap Compに統合できるようになりました。他にも、
USD Render ROPに Slap Comp タブが追加され、レンダリング後に処理したいオペレーションを指定することができます。
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Karma Render Settings LOP、
Karma Standard Render Vars LOP、
Karma Render Products LOPでは、Render ProductsやRendervarsの独自の親Primロケーションを指定できるようになりました。
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ディスプレイスメントシェーディング(バンプマッピングの適用ではなく)を完全に無効化できるようになりました。ノードの Dicing セクションでこの新しい3つ目のオプションが見つかります。そこで、 True Displacement ドロップダウンメニューを開きます。
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Huskに新しい
--frame-list
オプションが追加されました。これによって、レンダリングする特定のフレーム、レンダリングするフレームをスペースで区切ったリストを指定することができます。 ハイフン/マイナス記号はコマンドとして誤った解釈がされてしまうので、マイナス値は許可されていないことに注意してください。 -
Karmaのデフォルトのノイズメソッドとして新しくブルーノイズが実装されました。 ブルーノイズは、上手くあまり目立たないノイズパターンを生成し、全体の画像品質を改善します。
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Render Geometry Settings LOPにモーションブラーのスタイルを制御する新しい設定( Rotation Blur または Linear Blur )が追加されました。 Karma ▸ Motion Blur ▸ Motion Blur Style でこのトグルが見つかります。デフォルトは Rotation Blur です。 Linear Blur は非常に稀な場合にのみ必要になります。
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Render Var LOPの Source Name フィールド内の変数名の頭に
noholdouts;
を付けることで、ユーティリティAOV(つまり、非LPE AOV)への寄与に対するホールドアウトを回避できるようになりました。 -
カメラ空間/ビュー方向に対応したNormal AOVとRay Importが追加されました。
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Karma Physical Lens VOPがブルーノイズに対応しました。
このノードでは、 OpenCV タブ上でOpenCV Distortion定数を定義することもできます。
ライティング ¶
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光源をインスタンス化できるようになりました。 ライトをばら撒くことで、例えば、遊園地、メリーゴーランド、車が通りを走る夜の街全体といった照明をすることができます。 もちろん、光の色と強度をランダムにすることもできます。
シェーダとマテリアル ¶
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MaterialXが1.38.10に更新されました。更新されたバージョンには、例えば以下のような様々な新しいノードが含まれています:
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MtlX Gooch Shade VOPはNPRシェーダで、“Cool to Warm(寒から暖)”シェーディングと呼ばれています。このシェーダタイプは、テクニカルイラストレーションで広く使用されています。
Tip
完全な変更ログは、公式のMaterialXウェブサイトを御覧ください。 そこの Announcements セクションには、適切なリリースページへのリンクが含まれています。
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更新された
Karma Fur VOPの Cortex タブには、 Roughness TT Scale と Roughness TRT Scale が露出されました。 それらのパラメータを使用するには、 Advanced Roughness トグルを有効にします。 その意味と機能は、
Karma Hair VOPのパラメータと同じです。
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MaterialX MtlxStandardSurfaceが金属サーフェスに対して Thin Film をサポートしました。
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新しくKarma ST Derivatives VOPノードが追加されました。 このノードは、シェーダネットワーク内で使用するための(ST空間での)微分を計算することができます。
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MaterialXシェーダグラフ内でのKarma AOV VOPは、型が一致している限り、Geometry Property Value VOPで使用されているアトリビュート名と同じ変数名を使用できるようになりました。
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MaterialXのTransform系ノードでは、 To Space パラメータに
tangent
を使用できるようになりました。例えば、スカルプティングアプリケーションからのオブジェクト/ワールド空間のベクトルディスプレイスメントマップを使用したい場合に使用すると良いでしょう。
その他の改善点 ¶
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Karmaは、ポイントプリミティブと頂点プリミティブ上の可変Primvarを取得できるようになりました。
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OIDNデノイザは、一部のシステムでGPUをサポートしたバージョン2.2にアップグレードされました。
カラーとトーンマッピング ¶
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lin_srgb
とlin_rec709
のパターンにマッチするデフォルトのOCIOファイルルールが追加されました。 -
Karmaが最適化された
.rat
ファイルを自動生成する時に、その作業カラー空間がLinear Rec 709でなかった場合、そのカラー空間が適切に維持されます。これは、主にMip-MapされていないOpenEXRテクスチャをKarmaXPUで使用する時に顕著になります。