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ワークフローの改善点

  • Stage Manager LOPは、新しいユーザインターフェースとたくさんの便利な機能(例えば、参照パスの置換、インスタンス化可能な参照、全体的なレイアウトの改良)によって完全に改訂されました。 さらに、複数のPrimsを選択してトランスフォームさせることができるようになりました。

    このツールと出来ることの詳細は、Stage Managerページを参照してください。

  • USDカメラは、OBJレベルのカメラと同じ/似た方法で、SOPネットワーク内の視点となるカメラのリストに表示されるようになりました。

  • 大規模シーンでのKarma Render Settings LOPのパフォーマンスが大幅に向上しました。

  • 新しくSOP Payloadツールが追加されました。このツールは、ペイロードのインポートがもっと便利になるようにSOP Create LOPを事前設定して最適化したものです。

  • SOP Create LOPに新しく Show LOP Stage in SOPs パラメータが追加され、SOPコンテンツと一緒にビューポートに表示するLOPノードのステージを制御できるようになりました。

  • Solaris DesktopLog Viewerペインが含まれるようになりました。

  • LOPネットワーク内に何もノードがない時であっても、Layout Asset Galleryペインからビューポート内へのアセットのドラッグアンドドロップが動作するようになりました。

新しいノード

  • 新しく追加されたQuick Surface Material LOPQuick Cloud Material LOPは、Material Library LOPの手順をスキップすることができます。 これは、ステージとシェーダネットワーク間を頻繁に飛び交うことなく、マテリアルの変更にアクセスしやすくした第一歩となります。

    Quick Materialの詳細は、このリンクを御覧ください。

  • 新しく追加されたGeometry Color LOPは、高速プレビュー用にジオメトリプリミティブ上にディスプレイカラーと不透明度のアトリビュートを追加します。 また、このノードはインスタンスに対して基本的なランダムカラーを適用することもできます。しかし、USDはGeomSubsetsに直接displayColorsを適用するのをサポートしていないので、ジオメトリサブセットレベルでカラーを変えることができません。

  • 新しく追加されたDraw Mode LOPは、Card LOPの代わりとなりました。このノードはUSDモデルアセットに、ビューポートでのオブジェクトの表示方法を決めるDraw Modeプロパティを設定します。

    色々なモードから選択することができます: Full GeometryOrigin AxesBounding BoxTextured Cards 。 幅広いオプションによって、オブジェクトのルックを完全に構成およびカスタマイズすることができます。

ノードの改善点

  • SOP Import LOPは、SOPレベルでいうwidthアトリビュートやカスタムのwidthsアトリビュートを持たないポイントやカーブに対して、ユーザ定義のwidthsアトリビュートを追加するようになりました。

    補足として、SOPアトリビュートが欠落している場合にカスタムのwidthsアトリビュート値(SOPではpscale)を定義することができる新しいBGEOファイルフォーマットオプションの存在に注意してください。

  • Houdini Hair Proceduralにアクセラレーションブラーサポートが追加されました。accelerationアトリビュートは、ガイド/スキンからコピーされるようになり、 Velocity BlurAcceleration Blur のどちらかを選ぶ新しいコントロールが追加されました。

  • Configure Property LOPに、プロパティにアセット情報メタデータを設定するパラメータが追加されました(Configure Primitive LOPでは既にPrimに対して設定することができていました)。

  • Vary Material Assignment LOPは、ジオメトリサブセットをサポートしました。

  • Background Plate LOPは、アニメーションするシェーダパラメータをサポートしました。Karma XPUにもその背景プレートの機能が若干改善されています。背景プレートは今ではMaterialXネットワークとなり、ホールドアウトオブジェクトは影を持たなくなりました。

  • Geometry Clip Sequence LOPに新しくトグルが追加されました。これを有効にすると、トポロジファイルとマニフェストファイルを、すべてのクリップファイルを使用することなく単一クリップファイルから生成することができます。 これによって、このノードが非常に高速化され、メモリ使用量が減ります。特にクリップファイルにBGEOファイルを使用した時がそうです。

  • 改善されたEdit Material Properties LOPには、 Reference Type ドロップダウンメニューに“Reference File”オプションが追加され、ディスクからマテリアルを参照できるようになりました。USDマテリアルプリミティブのメタデータ内にダイアログスクリプトを保存することで、パラメータインターフェスを維持することもできます。

    • 新しく追加された Make Instanceable トグルによって、参照プリミティブをインスタンス化可能にすることもできます。

    • 新しく追加された Initialize Parameters オプションでは、このノードが何の変更も適用しないようにすべてのコントロールメニューパラメータの状態を Do Nothing に変更することができます。 このパラメータの機能は、Edit Properties LOPと同じです。

    • 新しく追加された Class Prim Path パラメータは、Material Library LOPでのVOPサブネットの挙動を継承します。これによって、既存の(または派生した)マテリアルに新しいベースクラスを指定するのが簡単になりました。

    • Reload File ボタンは、参照ファイルをリロードします。

  • Component Geometry LOPは、SOPアトリビュートのusdmaterialpathに基づいてマテリアルを生成してバインドできるようになりました。

  • SOP Import LOPは、 Partition Attributes パラメータからサブセットを作成する時に、USD24.03で拡張されたジオメトリサブセットタイプをサポートしました。 特に、Mesh Prim、TetMesh Prim、Points Primを編集する時は、ポイントパーティションアトリビュート(elementType = point)からサブセットを作成することができ、TetMesh Primを編集する時は、プリミティブパーティションアトリビュート(elementType = tetrahedron)からサブセットを作成することができます。

  • Karma Render Settings LOPKarma Standard Rendervars LOPUV Rendervarの名前がTexture Coordinates(st)に変更され、もはやIntrinsic UVを出力しなくなり、代わりにst Primvarを出力するようになりました。

  • Prune LOPが更新され、( Target Method ▸ Primitive Pattern を使用した時に)足りない明示的Prim(Explicit Prim)を新規オーバーライドPrimとして作成することができるようになったので、特定のPrimのアクティベーションの状態や可視性を事前に宣言することができます。

  • Extract Instances LOPは、ElementSizeメタデータを使って配列Primvarを処理するようになり、配列PrimvarをスカラーPrimvarに平坦化するオプションが追加されました。

  • Karma Render Settings LOP、Karma Standard RenderVars LOPKarma Render Products LOPは、Render ProductやRendervarの親Primロケーションを独自に指定できるようになりました。

  • Material Linker LOPのコンテキストメニューから作成されたEdit Material LOPには、そのLinkerのPrim Pathパラメータのチャンネル参照が追加されるようになりました。

  • 更新されたPrune LOPでは、空っぽの入力が許可されました。これによって、空っぽのステージ上で新しいPrimを作成することができます。

レンダリング

  • 光源をインスタンス化できるようになりました。 ライトをばら撒くことで、例えば、遊園地、メリーゴーランド、車が通りを走る夜の街全体といった照明をすることができます。

  • SolarisのClone機能が大幅に改善されました。

    • Cloneがデータウィンドウをレンダリングできようになりました。

    • コントロールパネルの項目を並べ替えることができるようになりました。

    • Cloneが複数のAOVを送り返すことができるようになりました。

    • Cloneのスナップショットがサポートされました。

    • コントロールパネルにViewドロップダウンメニューが追加され、そこから表示した項目を選択できるようになりました。

  • レンダーデリゲートのインスタンス化を試みる前にHoudiniに読み込まれるダイナミックライブラリのリストをUsdRenderers.jsonファイルで指定できるようになりました。これによって、サードパーティ製のレンダーデリゲートをインストールした時に発生する構成問題が軽減されるはずです。

  • huskプロシージャルは、USD Render Settings Prim(例えば、カメラ情報を抽出するPrim)が ステージrenderSettingsPrimPathメタデータで明示的にタグが付けられていなくても、そのUSD Render Settings Primを検索するようになりました。

  • HOUDINI_GL_USE_MATERIALX環境変数が0に設定されている場合であっても、Houdini GLレンダーデリゲートでUSDプレビューシェーダが許可されました。

プロシージャル

  • 新しく追加されたHoudini Procedural: Crowd LOPは、Houdini Crowd Proceduralプリミティブを構成します。 このプリミティブは、生成される固有のスキンジオメトリ量を減らすことでレンダリング時間を最適化します。 このプロシージャルは、群衆キャラクタを表現したインスタンスのSkelRootプリミティブで動作します。 その結果、以下の比較で示すとおり、メモリ使用量とパフォーマンスが改善されているのが分かります。 左の図がHoudini20のレンダリング統計で、右の図がHoudini20.5で記録されたそれと同じ情報です。 ワークフローのガイドに関してはここをクリックしてください。

  • 新しく追加されたHoudini Procedural: RBD LOPは、SOPネットワークから取り込んだシミュレーションポイントを使って、レンダリング時に高解像度ジオメトリを変形させることができます。

    以前のワークフローでは、制作規模が大きいシーンでユーザが問題にぶつかることが多かったです。 例えば、大量の粉砕ピースによって、プロトタイプまたは個別のオブジェクトとしてそれなりの数のプリミティブが生成されていました。 通常では、これによって、パフォーマンスと命名に関する問題が発生し、シーンに必要なディスク容量が(大幅に)増えていました。 ワークフローのガイドに関してはここをクリックしてください。

    このプロシージャルは、RBD Destruction LOPの他の出力タイプ(例えば、 Deforming MeshDynamic Skinning )に対して推奨されている代替案です。

その他の改善点

  • Scene Graph TreeSelect All Bound Geometry アクションは、親Primのすべての子Primに同じマテリアルがバインドされている場合であっても、もはやマテリアルがバインドされているPrimの親Primを選択しなくなりました。

  • Primのトランスフォームを取得するVEXメソッドでは、もはやそのPrimがXformableである必要がなくなりました。これらのメソッドは、XformableでないPrimのトランスフォームは、直近の親のXformableのトランスフォームと同じであると想定することで、どのPrimタイプでも動作するようになりました。

  • 被写界深度設定は、常にカメラのビュー調整中で保持されるようになりました。

  • SOPジオメトリの四面体メッシュと新しく追加されたUSD TetMeshプリミティブタイプの相互変換サポートが追加されました。

  • hou.SceneViewer.resetViewportCameraメソッドが追加されました。これは、ビューポートカメラメニューの Reset Native Viewport Camera エントリと等価です。

  • ポイントインスタンサーを参照しているパックUSDプリミティブをアンパックする時、invisibleIdsアトリビュートがSOPのusdvisibilityアトリビュートに変換されるようになりました。これは、Primのvisibilityを他のUSDプリミティブタイプに変換する方法と同様です。

  • より適切/正確なLOPポイントインスタンス選択文字列フォーマット(/instancer[instance_index:/path/to/selected/prototype])がサポートされました。 これは、HOUDINI_PROTOPATHS_IN_INSTANCE_SELECTIONS環境変数を1に設定することで有効にすることができます。

  • プリミティブパターンの構文ハイライト(pathParameterCompletion())とパス補完(setPathParameterCompletion(path_parameter_completion))を無効にする設定が追加されました。 この設定を有効にすると、USDステージの再合成によって、パラメータの編集時に一時停止が発生する可能性があります。 詳細は、HOMモジュールのページを参照してください。

  • 新しく@fps自動コンテキストオプションが追加されました。これは、(上書きされていない限り)グローバルアニメーションのFPS設定と同じです。

    このコンテキストオプション値は、LOPノードで新しく作成されたステージのFPS値とTCPS値を設定するのに使用されるようになりました。以前は、グローバルFPS設定から直接この値がアクセスされていました。

    これは、グローバルFPSの変更が追跡されるようになり、LOPネットワークが再クックされる可能性があることを意味します。 また、Edit Context Options LOPを使ってこのfpsコンテキストオプションを設定することで、新しいUSDステージを作成した時のグローバルFPS設定を上書きすることができます。 もしfpsという名前のコンテキストオプションがHIPファイルまたはLOPネットワークで作成されていた場合、これによって、既存のLOPネットワークの挙動が変わってしまう場合があります。

  • Houdini20.5はUSDバージョン24.03を使用しています。

What’s new in Houdini 20.5