Houdini 19.5

ダイナミクス

Houdiniのダイナミクスネットワークを使用したシミュレーションの作成方法。

Houdiniでは、ダイナミクスネットワークを使ってシミュレーションを作成します。 シミュレーションオブジェクト を作成して、複数の ソルバ をそのオブジェクトに適用します。Houdiniには、たくさんの異なるタイプのシミュレーション(布、リジッドボディ、ワイヤー、流体)用のオブジェクトとソルバがあります。また、スクリプトソルバ、ジオメトリソルバ、パーティクルソルバのようなHoudiniの他のパーツとダイナミクスを統合する特別なソルバがあります。

ほとんどの基本的なダイナミクスのセットアップは、単一のシミュレーションオブジェクトをソルバに接続し、フォースを加えます。 そのようなセットアップを作成するには、RBD Hero ObjectなどのRigid Bodiesシェルフツールを使用すると良いでしょう。

ダイナミックシミュレーションには 拘束 があり、これは、オブジェクトの位置を他のオブジェクトの位置で拘束します。例えば、スプリング拘束は2つのオブジェクト間に目に見えないスプリングの効果を生成します。

拘束は、いわば リレーションシップ です。シミュレーションオブジェクトには、 衝突 のリレーションシップがあります。例えば、リジッドボディオブジェクトと流体シミュレーションは、お互いに影響し合います。

フォース をシミュレーションに加えることができます。異なるソルバを持つシミュレーションオブジェクトは同じフォースを共有することができ、複数のフォースを各オブジェクトに加えることができます。

ダイナミクスネットワークは、データを追加してオブジェクトのツリーを構築します。ビューポートにはシミュレーションで生成されたジオメトリのアニメーションが表示されます。Geometry Spreadsheetには、スプレッドシート形式で現在の時間における各オブジェクに適用されたシミュレーションデータすべてが表示されます。

シミュレーションに追加可能なフォースは、抵抗力、風、力積(押す力)、磁場、扇風機などがあります( Drive Simulation タブを参照)。

DOP Networkを接続して同じ結果になる方法がたくさんあります。データを追加するノードは、ただ単に灰色の入力の接続線を通過するオブジェクトにデータを追加しているだけです。例えば、ネットワーク内で異なる場所にフォースのノードを置いたり、フォースのノードの Group パラメータにノード名のパターンを設定することで、あるフォースをあるオブジェクトだけに適用するように制限することができます。

例えば、以下のネットワークでは、gravity1のフォースがsphere1box1の両方に加わります。なぜなら、どちらのオブジェクトも最終的に、同じフォースのノードに接続されているからです。とはいえ、fan1の力はsphere1にのみ適用されています。なぜなら、そのオブジェクトのみがfan1に接続されているからです。

時間依存のエクスプレッションは、ダイナミクスでは少し異なっています。$F(現在のフレーム)と$T(現在の時間)の代わりに、$SF(シミュレーションフレーム)と$ST(シミュレーション時間)を使います。この理由は、Houdiniのダイナミクスエンジンは時々、衝突を計算するのに時間を前後するからです。このことから、$Fは同じ値を何度も行き来してしまうのに対して、$SF$STは、そのまま値が増えていくだけです。

サブトピック

ダイナミクスの学習

衝突オブジェクト

シミュレーションタイプ

次のステップ

Houdini 19.5

はじめよう

Houdiniの使い方

  • ジオメトリ

    Houdiniがどのようにジオメトリを表現し、どのように作成・編集するのか説明します。

  • コピーとインスタンス

    コピー(実形状)とインスタンス(読み込みのみ、もしくはレンダリング時に作成される形状)の使い方。

  • アニメーション

    Houdiniでのアニメーションの作成とキーフレームの方法。

  • デジタルアセット

    デジタルアセットは既存ネットワークから再利用可能なノードとツールを作成することができます。

  • インポートとエクスポート

    Houdiniでのシーン、オブジェクト、他のデータのインポートとエクスポートの方法。

  • PDG/TOPsを使ってタスクを実行する方法

    TOPネットワークを使用して、ディペンデンシーとスケジューラタスクを定義する方法。

  • MPlayビューア

    Houdiniのスタンドアローン画像ビューアの使い方。

Character FX

  • キャラクタ

    Houdiniでのキャラクタのリギングとアニメーションの方法。

  • 群衆シミュレーション

    Houdiniでのキャラクタの群衆の作成とシミュレーションの方法。

  • Muscles & Tissue

    筋肉、皮下組織、スキンをHoudiniで作成およびシミュレーションする方法。

  • HairとFur

    ヘアーとファーを作成、スタイリング、ダイナミクスを追加する方法。

ダイナミクス

  • ダイナミクス

    Houdiniのダイナミクスネットワークを使用したシミュレーションの作成方法。

  • Vellum

    Vellumは、布、ヘアー、Gain(粒)、流体、ソフトボディオブジェクトに対してPosition Based Dynamicsの手法を使用します。

  • Pyro

    煙、炎、爆発のシミュレーションの方法。

  • 流体

    流体とオーシャンのシミュレーションをセットアップする方法。

  • オーシャンと水面

    オーシャンと水面のシミュレーションをセットアップする方法。

  • 破壊

    色々なタイプの材質を破壊する方法。

  • Grains(粒)

    (砂のような)粒状の材質をシミュレーションする方法。

  • パーティクル

    パーティクルシミュレーションの作成方法。

  • Finite Elements(有限要素)

    変形可能なオブジェクトを作成してシミュレーションする方法。

ノード

  • OBJ - オブジェクトノード

    オブジェクトノードはシーン内で、キャラクタ、ジオメトリオブジェクト、ライト、カメラなどのオブジェクトを表示します。

  • SOP - ジオメトリノード

    ジオメトリノードはGeoオブジェクト内で存在し、ジオメトリを生成します。

  • DOP - ダイナミクスノード

    ダイナミクスノードは物理シミュレーション用に条件とルールを設定します。

  • VOP - シェーダノード

    VOPノードは、ノード同士を接続することで(シェーダなどの)プログラムを定義することができます。そしてHoudiniは、そのノードネットワークを、実行可能なVEXコードにコンパイルします。

  • LOP - USDノード

    LOPノードは、キャラクタ、プロップ、ライティング、レンダリングを記述したUSDを生成します。

  • ROP - レンダーノード

    レンダーノードは、シーンをレンダリングしたり、レンダーディペンデンシーネットワークをセットアップします。

  • CHOP - チャンネルノード

    チャンネルノードは、チャンネルデータの作成、フィルタリング、制御をします。

  • COP2 - コンポジットノード

    コンポジットノードはフィルターを作成し、画像データを操作します。

  • TOP - タスクノード

    TOPノードは、データをネットワークに送り込んでワークアイテムに変換し、色々なノードでそれを制御するワークフローを定義します。たいていのノードは、ローカルマシンまたはサーバーファーム上で実行可能な外部プロセスを表現しています。

ライティング, レンダリング, コンポジット

  • Solaris

    Solarisとは、Universal Scene Description(USD)フレームワークに準拠して、Houdiniのシーン構築、レイアウト、レンダリングをするツール群の総称のことです。

  • レンダリング

    3Dシーンから画像とアニメーションをレンダリングする方法。

  • HQueue

    HQueueは、Houdiniの無料の分散ジョブスケジューリングシステムです。

  • マテリアル

    マテリアルの割り当てとシェーディング用のカスタムマテリアルを作成する方法。

  • コンポジット

    Houdiniのコンポジットネットワークはレンダーなどの画像を作成し処理することができます。

リファレンス

  • メニュー

    メインメニュー内のそれぞれの項目について説明します。

  • ビューア

    ビューアペインタイプ。

  • ペイン

    色々なペインのオプションを説明します。

  • ウィンドウ

    色々なユーザインターフェースウィンドウのオプションを説明します。

  • スタンドアローンのユーティリティ

    Houdiniには便利なコマンドラインユーティリティプログラムがたくさんあります。

  • APIs

    Houdiniのプログラミング関連のリファレンスドキュメントすべてを一覧にしています。

  • Pythonスクリプト

    PythonとHoudini Object Modelを使用してHoudiniのスクリプトを記述する方法。

  • エクスプレッション関数

    エクスプレッション関数は、パラメータの値を計算することができます。

  • HScriptコマンド

    HScriptはHoudiniのレガシースクリプト言語です。

  • VEX

    VEXはシェーダの記述などのHoudiniのほとんどの場所で使われているハイパフォーマンスなエクスプレッション言語です。

  • プロパティ

    プロパティはレンダリング、シェーディング、ライティング、カメラといったパラメータを柔軟で強力な階層構造でセットアップすることができます。

  • ギャラリー

    Houdiniに含まれている既製マテリアル。

  • Houdiniパッケージ

    プラグイン、ツール、アドオンが異なる環境変数定義ファイルを複数作成して、それらを組み合わせる方法。

  • Houdini Engine

    Houdini EngineのC、PythonのAPIsとHoudini Engineプラグインについて説明しています。

  • hwebserver

    グラフィカルまたは非グラフィカルなHoudiniセッション内でウェブサーバーを起動するための関数とクラス。

  • SideFX Labs

    SideFX Labsは新しいツールをテストする場です。SideFX GitHubリポジトリから直接これらのツールをアップロードすることができます。

  • 環境変数一覧