スランプ(地すべり)とは、緩く結束された物質の粘性塊または岩盤層が斜面を短い距離だけ移動しただけで引き起こされる大規模な崩壊の一つです。 不安定に積み重ねられた瓦礫がもっと安定した状態に落ち着こうとする時に、そのスランプ(地すべり)をRepose Angle(安息角)で滑り止まらせるといったことをよくします。
Height Field Erodeはアニメーションフレームにわたって反復されていく侵食をシミュレーションするのに対し、 このノードは、一度にすべてのスランプ(地すべり)の効果を計算して適用します。
Height Field Slumpには、その場で使用する侵食ツールを含んでいますが、これらのツールは主にハイレベルツールで使用することを前提にしています。
パラメータ
Slump
Slump Mode
境界マテリアルレイヤーをスランプ(地すべり)させる方法。SmoothまたはGranularのどれかを指定します。
Smoothモードは、マテリアルを迅速に拡散させます。これによって、運搬が遅くなりますが、フィールドが滑らかになり、液体のような運搬の働きを表現するのに役立ちます。
Granularモードは、マテリアルを量子化した塊で動かします。これによって、運搬が速くなりますが、塊っぽいフィールドになり、巨礫岩のような運搬の働きを表現するのに役立ちます。
Spread Iterations
シミュレーションするスランプ(地すべり)の反復回数。
Spread Rate
反復毎に地形上で物質が広がる速さ。
Repose Angle
最大傾斜角(水平からの角度)。これより低い角度の緩い固体物質は滑り落ちずにその場所に留まります。
Repose Angle Mask
Repose Angleマスクの名前。これは、Slump ModeをGranularに設定した時にのみ動作します。
Height Factor
スランプ(地すべり)前にHeight Fieldをスケールします。これは、そのスランプ(地すべり)の差異を広げます。
Entrainment Rate
エントレインメント(同調現象)とは、侵食要因によって物質が運ばれる過程のことです。 これは、反復毎にスランプした物質によって引っ張られるエントレインメント物質の割合を制御します。
Stability Mask
Stabilityの名前。このマスクを使用することで、堆積物をもっと安定させることができます。
Quantization
マテリアルの流れの塊っぽさを制御します。数値が低いほど、この流れがより連続的になり、数値が高いほど、この流れがより塊っぽくなります。
Grid Bias
マテリアルの移動量にバイアスをかける量を制御します。 プラスの値を設定すると、主軸の方向で移動量にバイアスがかかり、マイナスの値を設定すると、主軸を基準に45度の方向で移動量にバイアスがかかります。 デフォルトの0の値は、どの方向にもバイアスをかけないことを意味します。
Grid Bias Mask
Grid Biasマスクの名前。
Random Seed
同じ入力の同じ変数セットに対して侵食を変化させるためのランダムシード。
Do Erosion
有効にすると、Materialレイヤーがスランプ(地すべり)した時にBedrock(岩盤)レイヤーを侵食します。
Note
このオプションを有効にする時は、Sediment(堆積物)レイヤーがなければなりません。
Global Erosion Rate
反復毎に岩盤または堆積物(ここではEntrained Material)が侵食されるメートル数を制御します。
Erodability
岩盤または堆積物(ここではEntrained Material)の柔らかさを制御します。 数値が高いほど、地形が侵食しやすくなって、その結果、もっと深く削られ、もっとSediment(堆積物)もDebris(岩屑)も沈殿するようになります。
Erodability Mask
Erodabilityマスクの名前。
Erosion Rate
侵食を起こすレートを制御します。これは、Erodability
の乗数です。
Bank Angle
河床を基準に河岸が定着する角度を設定します。 数値が低いほど、広くて平坦な河道が生成されます。
Bank Angle Mask
Bank Angleマスクの名前。
Allow Material Outflow
物質がHeight Fieldの端を超えると、その物質が消去されます。 これを無効にすると、その物質はそこに蓄積するようになります。
Add to Bedrock
侵食などのさらなる計算のために、物質を岩盤(Height Layer)内に戻します。
Adavanced Erosion
このフォルダは、Granularモード且つDo Erosionが設定されている時にのみ有効になります。
Removal Rate
熱侵食から削除されるDebris(岩屑)の割合。
これは、堆積物をすべて累積させるのではなくて、特定の量の堆積物を風が運び去る現象をシミュレーションします。
デフォルトは0
(削除なし)です。
マイナス値は、岩から削除される堆積物がなくなって、1ユニットの侵食した岩から2ユニット以上の堆積物が生成されます。
Max Debris Depth
Debris(岩屑)レイヤーがこの深さに到達した時に侵食を止めます。
Ramp-up Iterations
Erodabilityの最大反復回数。
Initial Factor
マテリアルの初期の移動に設定されるErodabilityの度合いを制御します。 この度合いは、設定したSpread Iterationsが最大反復回数に到達するまで増加します。それ以降は最大設定値のままになります。
Slope Factor
地形の勾配が侵食量に影響を与える度合いを制御します。数値が高いほど、侵食に影響を与える勾配が大きくなり、数値が低いほど勾配が低くなります。 その結果として、この数値を下げると、Erodabilityが大きくなります。
Erosion Rate Factor
河床の変化にのみ影響するErosion Rate
の乗数。
この数値を大きくすると、河床の侵食がより活発になり、その結果として、削磨が深くなります。
Deposition Rate
余分なSediment(堆積物)がDebris(岩屑)に変化するレートを制御します。 0の値は、Sediment(堆積物)をDebris(岩屑)に変化しないことを意味します。 1の値は、生成されたすべてのSediment(堆積物)をDebris(岩屑)に変換し、その結果、生成されたDebris(岩屑)によって次々と河床がもっと保護されるようになります。
Deposition Rate Mask
Deposition Rateマスクの名前。
Sediment Capacity
水が1ユニット移動する毎に搬送可能なSediment(堆積物)の量。 この数値が高いほど、余分なSediment(堆積物)が沈殿し始めるまでのマテリアルが侵食できる距離が長くなります。
Erosion Rate Factor
河岸の変化にのみ影響するErosion Rate
の乗数。
この数値を大きくすると、河岸の侵食がより活発になり、その結果として、削磨が広くなります。
Max Bank to Bed Water Ratio
河岸の堤防とみなされる堤防と河床の高さの比率の最大値。 この数値より高い比率は、侵食時に堤防として見なされなくなります。
Flow Field
Calculate Flow Fields
累積のフロー方向と平均のフロー方向に関する情報を含んだ出力に新しいフィールドを追加します。
Smoothing Iterations
1以上の時、フローレイヤーの内容を平滑化します。値が高いほど滑らかになります。
Smoothing Rate
反復毎に平滑化の効果をスケールします。
Bindings
Bedrock
スランプ(地すべり)シミュレーションの岩盤として使用するフィールドの名前。
デフォルトはheight
です。
Material to Slump
スランプ(地すべり)をシミュレーションするHeightFieldの部分をマークするMaskフィールド。
デフォルトはmask
です。
Entrained Material
既に入力に以前のHeightfield ErodeのDebris(岩屑)の層がある場合は、ここにその名前を入力することができ、このアルゴリズムがその層が既に緩い土壌として扱います。
Sediment
地すべりと侵食のシミュレーションでSediment(堆積物)として使用するフィールドの名前。
Flow
Flow タブの Calculate Flow Fields が有効な時、このノードは、 累積した 物質の流れを表現したflow
レイヤーを出力します。
このレイヤーには2つの符号付きコンポーネント(xとy)が含まれていて、ボクセル空間でのフロー方向を表現しています。
このレイヤーは累積なので、物質が左に流れてから右に流れた場合、それらの2つの動きが打ち消されて、xコンポーネントが0になります。
Flow Dir Layer
Flow タブの Calculate Flow Fields が有効な時、このノードは、各ボクセルにおけるフローの平均方向を表現したベクトルを含んだflowdir
レイヤーを出力します。