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DOP Import SOPはDOPネットワークからジオメトリを取り込み、さらにDOPオブジェクトのトランスフォームに基づいて入力ジオメトリをトランスフォームします。 Import Style パラメータでは、いくつかのモードのオペレーションを選択することができます。
DOPオブジェクトには、それら自体に関連した異なるトランスフォームを2つ持っています。 1つ目のトランスフォームは、オブジェクトに接続したPositionデータから取得します。 2つ目のトランスフォームは、オブジェクト上のGeometryデータから取得します。このデータには、それ自体に関連したトランスフォームを継承しています。 このSOPは、それらのトランスフォームのどれか、両方、またはどちらもなしにすることができます。 さらに、逆変換を適用することで、効率的に他のDOP Import SOPのトランスフォームオペレーションを元に戻すことができます。
DOP Import SOPは、ポイントとプリミティブに対して選択したベクトルアトリビュートのトランスフォーメーションも可能です。
Point Velocity
ジオメトリのトランスフォームだけではなく、このSOPはジオメトリにVelocity Pointアトリビュートを作成することができます。
このVelocityは、DOPシミュレーションのジオメトリ上にあるVelocityアトリビュート(例えば、Cloth Solverで設定するアトリビュート)、全体のオブジェクトのVelocity、 オブジェクトのPositionデータに保存したAngular Velocityを組み合わせることで計算します。 このSOPは、オブジェクトの線形速度と角速度を組み合わせることで、各ポイントの瞬間Velocityを計算することができます。 または、いくつかのタイムステップで2つのVelocityを統合することができます。 瞬間Velocityの手法は、各ポイントのVelocityを正しく表現しますが、オブジェクトに速い角速度がある場合、それらの瞬間Velocityを使ったレンダリングでは、オブジェクトの表示が爆発っぽくなります。 この場合では、統合したVelocityを使うことで、外挿したポイントがオブジェクトのジオメトリの“内側に”存在させることができます。 Integrate Over Timeパラメータでは、統合間隔を指定してタイムステップに合うように設定、または複数セグメントのモーションブラーを使用する時には各ジオメトリセグメントの期間に設定してください。
“vel”ベクトルフィールドがオブジェクトに存在すれば、それがVelocityフィールドとして解釈され、計算したVelocityに加算されます。
シミュレーションオブジェクトのGeometryのVelocityアトリビュートは、Attribute Transfer SOPと同様のテクニックによって入力ジオメトリへ転送されます。 入力ジオメトリをシミュレーションオブジェクトのGeometryに合わせて良いPoint Velocityを取得する必要性はありません。 このオプションは、モーションブラー付きでシミュレーションオブジェクトをレンダリングするのに役に立ちます。
DOP Objectをポイントとして取り込む時は、このオプションを有効にします。 DOP Object全体のVelocityは、常にそのオブジェクトを意味するポイントに割り当てられます。
パラメータ
DOP Network
トランスフォームとVelocityの情報の抽出元となるDOP Network。
Object Mask
トランスフォームの抽出元となるDOP Network内のオブジェクトを指定します。
Use Single Object
このオプションをオンにすると、全体の入力ジオメトリが Object Mask パラメータで合致した1番目のシミュレーションオブジェクトによってトランスフォームされます。 このオプションをオフにすると、Object Maskの各オブジェクトに対して、このSOPはオブジェクトと同じ名前のプリミティブグループを検索します。 そのプリミティブグループのみが、それに合致したオブジェクトから影響を受けます。 つまり、いくつかのジオメトリが合致したプリミティブグループに属していない場合は、それらのジオメトリは全くトランスフォームされません。
Import Style
このSOPのオペレーションモードを制御します。
Transform Input Geometry
入力に接続したSOPノードからジオメトリを引き出し、DOP Networkから取り出したオブジェクトを使って、そのジオメトリをトランスフォームします。 Object Names は、各オブジェクトに属するプリミティブを識別するために使用します。
Fetch Geometry from DOP Network
DOP Networkからジオメトリを引き出し、その入力に接続しているSOPを無視します。 これはObject Merge SOPと同様の機能ですが、DOP Networkに対して動作します。 このノードはジオメトリのトランスフォームに対して優れたコントロールが用意されており、その目的用に使いやすいパラメータがあります。
Fetch Packed Geometry from DOP Network(廃止)
DOP Networkから取り出す各オブジェクトに対してパックプリミティブを作成します。
RBD Packed Objectに関しては、オブジェクトのパックプリミティブが返され、それが Pivot Location パラメータに応じて調整されます。
そうでない場合、オブジェクトのジオメトリが埋め込んだパックプリミティブにパックされます。
パックオブジェクトに関しては、このオプションは廃止され、代わりに Fetch Geometry from DOP Network モードを使用してください。このモードはパックプリミティブの位置を調整しません。
他のオブジェクトタイプに関しては、 Pack by Name パラメータを有効にした
Pack SOPを使用することができます。
Fetch Unpacked Geometry from DOP Network
DOP Networkからジオメトリを引き出し、その入力に接続しているSOPを無視します。
RBD Packed Objectに関しては、アンパックした衝突ジオメトリが返されます。
Stamp Input Geometry
入力に接続しているSOPからプリミティブグループのコピーを作成します。 このモードは、 Transform Input Geometry と同様ですが、同じ名前の複数のDOPオブジェクトがある時、 それらのオブジェクトすべてが同じ名前の入力プリミティブグループから別々のコピーを生成したい時に、使うことができます。 このオプションは、入力SOPにプリミティブグループの一部ではないジオメトリを含んでいる場合にも役に立つので、DOPオブジェクトに相当しません。
Create Points to Represent Objects
オブジェクト毎に1ポイント作成し、そのポイントに位置、向き、Velocityを意味するアトリビュートを設定します。 これは、DOP Networkから非常に軽いジオメトリを生成することができ、レンダリング時にポイントインスタンスを使用することができます。
Pivot Location
パックプリミティブで参照されるポイントに対して、オフセットを初期化する方法を指定します。
Display As
Import Style が Fetch Packed Geometry from DOP Network の時のパックプリミティブのビューポートLOD。
Import By Name
プリミティブグループではなく、nameアトリビュートを使って、各DOPオブジェクトに属するプリミティブを識別します。
Object Names
各DOPオブジェクトの識別に使用される名前の書式を指定します。
それらの名前は、 Transform Input Geometry モードやインポートしたジオメトリにプリミティブグループやname
Primitiveアトリビュートを作成する時に使用されます。
Use DOP Object Name
DOP Object Nameは、オブジェクトの識別に使用されます。
RBD Packed Objectに関しては、
name
Pointアトリビュートが使用されます。
Use DOP Object Id
ソースDOPオブジェクトの数値IDに基づいて名前を生成します。 同じ名前の複数のDOPオブジェクトをDOP Networkからインポートするようなときは、この設定を使用します。
Use Full Path to Object
RBD Packed Objectに関しては、DOPオブジェクト名と
name
Pointアトリビュートの値を組み合わせて、object2/piece3
のようなIDを生成します。
複数のRBD Packed Objectsに同じ名前のパックプリミティブが含まれているようなときは、この設定を使用します。
Geometry Data Path
DOP Networkから取り込むジオメトリのサブデータパス。 同じデータパスがすべてのソースオブジェクトで使われます。 空っぽのままにすると、オブジェクトの1番目のジオメトリデータが使われます。
Transfer Attributes
Import Style が Create Points to Represent Objects の時に生成されるポイントへ転送するアトリビュートのリストを指定します。
Transfer Groups
Import Style が Create Points to Represent Objects の時に生成されるポイントへ転送するグループのリストを指定します。
Inverse Transform
シミュレーションオブジェクトで計算されるトランスフォームの逆トランスフォームを適用します。
Transform Geometry With Position Data
シミュレーションオブジェクトのPositionというDetaを検索し、その移動と回転の情報を抽出して、ジオメトリをトランスフォームします。
Transform Geometry With Geometry Data
シミュレーションオブジェクトに追加したGeometryデータに組まれたトランスフォームを使います。 これは、Geometry Dataに対して Use Object Transform を設定した時に通常では設定されるトランスフォームです。
Preserve World Space Positions
このSOPを含んだオブジェクトの逆トランスフォームを使用します。 これはジオメトリのワールド空間位置をオブジェクトレベルのトランスフォームから独立させることができます。 これは、抽出するトランスフォームのシミュレーションオブジェクトに対して、ソースジオメトリとして使用するオブジェクト内にこのSOPを配置する時に役に立ちます。 オブジェクトレベルトランスフォームは、シミュレーションオブジェクトの初期位置に対して使う場合がありますが、このSOPからジオメトリ出力のワールド空間位置に影響を与えたくない場合があります。 Inverse Operationオプションを設定すると、このトランスフォームの成分も反転されます。
Center at Pivot
Import Style を Create Points to Represent Objects に設定した時、RBD Objectのピボットをポイントの中心点として使用します。これは、通常では、オブジェクトの重心にポイントを配置します。 これは、作成したポイントがソースシミュレーションの動きにうまく合うようになります。
Add DOP Object Name Attribute
オブジェクトの名前を含んだname
文字列Primitiveアトリビュートを追加します。
name
の書式は、 Object Names パラメータで指定します。
Add DOP Object Path Attribute
DOP Networkのパスの後にDOPオブジェクトIDを含んだ文字列Primitiveアトリビュートのdopobject
を追加します。
Add DOP Object Id Attribute
ソースオブジェクトのDOPオブジェクトIDを含んだ整数Primitiveアトリビュートのdopobjectid
を追加します。
Add to Existing Velocity Attributes
DOPオブジェクトから計算したVelocityをジオメトリ上の既存のVelocityアトリビュート値に加算します。このオプションをオフにすると、DOPオブジェクトから計算したVelocityが単に既存Velocityアトリビュート値を上書きするだけです。
Note
ジオメトリを動的に破壊する時、Velocityをより小さい塊に転送するために、Point Velocityを追加します。このパラメータをオンにすると、それらのPoint Velocityが最終レンダリングに反映されます。 モーションブラーを改良するなら、このパラメータをオフにします。デフォルトではオンになっていますが、シェルフツールのデフォルトではオフになっています。
Delete Abandoned Primitives
トランスフォームモードの時、DOPオブジェクトに相当しないプリミティブは、トランスフォームせずに削除されます。 これは、ソルバが時間軸でオブジェクトを削除する場合に役に立ちます。
Point Velocities
このSOPのジオメトリに対してPoint Velocityを計算するかどうか、そして計算の方法を制御します。 Instantaneous(瞬間)とIntegrated(積分)のVelocity計算は、概要で説明しています。
Integrate Over Time
Integrated Point Velocitiesの計算方法で計算するVelocityの時間の間隔。この値は単一フレーム時間に設定するか、または複数セグメントモーションブラーを使った時の単一ジオメトリセグメントの期間に設定します。
Do Not Trigger Simulation
取り込んだDOPシミュレーションが古くなった場合、シミュレーションを試みずに古いキャッシュの値を返します。
これは、シミュレーションキャッシュ内の不正なジオメトリを持ったSOP Solverで使われるSOPチェーンを確認する時の再帰問題を回避します。
Examples
LowHigh Example for Dop Import geometry node
このサンプルではRBDオブジェクトに対応するために低解像度と高解像度のセットアップをする方法を説明しています。 どちらの解像度もDOP Import SOPを参照して、低解像度ジオメトリでシミュレーションをして、その結果を高解像度ジオメトリに転送してレンダリングしています。
ProxyGeometry Example for Dop Import geometry node
このサンプルでは、DOP Import SOPを使って、DOPシミュレーションでプロキシジオメトリ(代用ジオメトリ)の使用を可能にするテクニックを説明しています。 1組みのジオメトリをシミュレーションに使用し、そのシミュレーション結果のトランスフォーメーション情報をもっと解像度の高いジオメトリに適用しています。