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このノードは、入力ポリゴンサーフェスからTissue(Tissue LayerとCore Layer)を構築します。

Tissueジオメトリは、ポリゴンサーフェス(三角形)と四面体が交互に重なった層構造で構成されています。 Tissueジオメトリの最も内側の層を Core と呼びます。 この Core は、ポリゴンメッシュの外殻で構成され、その内部は四面体で満たられたボリュームです(下図の“Tissue LayerとCore Layerを示した断面”を参照してください。青色の部分がCoreです)。 Tissueジオメトリの最も外側の層を単に Tissue Layer と呼びます。 この Tissue layer も、ポリゴンメッシュの外殻で構成され、その内部の厚みは四面体で満たされています。 この四面体は、外側のTissueサーフェスと内側のCoreサーフェス間の空間を埋めています(下図の“Tissue LayerとCore Layerを示した断面”を参照してください。緑色の部分がTissue Layerです)。
Tissue Solver Vellum SOPを使用してシミュレーションを実行すると、Tissue Layerは、生き物の肉体のあらゆる動的特性(例えば、揺れ、弾み、新宿、筋肉定義など)を伝達します。
Core Layerは、機械装置として動作します。
つまり、 Core は、アニメーションする取り付け先ジオメトリ(通常はMusclesとBones)に固定され、
さらに外側のTissue Layerの取り付け先としても機能します。
Tissueは、可変する剛性、減衰、スライド機能を持つスプリングを介してCoreに取り付けられます。
レイヤの拘束の関係としては、Tissue LayerをCoreに取り付け、そのCore上で滑るようにし、Core LayerをMusclesとBonesに取り付けます。
このノードの1番目の入力(Input 1)には、すべてのTissue Layerの最初の派生元となるサーフェスジオメトリを指定します。 このサーフェスは、一連の内側投影処理と四面体化処理を経て、四面体とポリゴンサーフェスの層状レイヤを作成します。
サーフェスジオメトリは、四面体化する 前 に必ず三角形化しなければなりません。
サーフェスがまだ三角形で構成されていない場合、このノードの Remesh Exterior Surface パラメータを使用することで、サーフェスを三角形化することができます。
サーフェスジオメトリのポリゴンをもっと細かい制御で三角形化したい場合、内部のリメッシュ機能を無効にして、代わりに外部で
Remesh SOPを使用すると良いでしょう。
Tissue Layerは、初めに入力サーフェスの位置から構築されます。 Coreサーフェス(Core Surface Layer)は、初めにそのTissue Layerの厚み( Tissue Relative Thickness パラメータで制御)の深さで構築されます。 それぞれのレイヤの境界は、パラメータ( Tissue Surface Offset )を使用するか、または、アトリビュート( Thickness Multiplier と Core Offset Mask )をペイントすることでオフセットさせることができます。
プロシージャルにサーフェスを生成するのが十分でない場合は、このノードの3番目の入力(Input 3)を使用して独自のCoreサーフェスジオメトリを指定することもできます。 独自のCoreサーフェスを指定した場合、このノードの Tissue Relative Thickness パラメータが上書きされます。
Tip
このノードの2番目の出力(Output 2)は、プロシージャルに生成されたCore Surface Layerを生成します。 この出力をスタッシュ(保存)して、それを開始点として使用することで、独自のCoreサーフェスをモデリングすることができます。 プロシージャルに生成されたCoreサーフェスジオメトリを一度モデリングし直したら、その2番目の出力の接続を解除し、それをこのノードの3番目の入力(Input 3)に接続し直すと良いでしょう。
このノードの4番目の入力(Input 4)は、
Tissue Solver Vellum SOPノードでCore LayerをMuscleとBoneに取り付ける際に、そのCore Layerが使用する取り付けウェイトを計算するのに使用されます。
この取り付けウェイトは、
corefalloff
Pointアトリビュートに格納され、そのCore Layerにのみ関係します。
このcorefalloff
Pointアトリビュートは、その4番目の入力で見つかったジオメトリ上の最も近い位置までの距離を測定することで計算されます。
その距離の影響範囲と減衰は、 Core Falloff Distance と Core Falloff Width で制御することができます。
4番目の入力に何もジオメトリを接続しなかった場合、corefalloff
はCore Layerのおおよその中心を基準に計算されます。


パラメータ ¶
Tissue Surface Offset
四面体化の前に入力のTissueサーフェスジオメトリをインセット(内側にオフセット)させる距離を指定します。
このオフセット距離は、Muscle & Tissueネットワーク内の下流のSkinパスに余裕代を与えるためにあります。
Skinパスが必要な場合、
Skin Solidify SOPノードのSkin Thicknessパラメータにも同じオフセット値を使用してください。
これによって、SkinとTissueの境界が互いに一致するようになります。
Skinパスが不要な場合、このパラメータを
0.0
に設定することで、Tissue Layerを入力サーフェス位置から構築することができます。
Tissue Relative Thickness
Skinサーフェスに囲まれた空間の局所的な厚みに対して、どの程度の深さでTissue Solid Layer(四面体層)を構築するかを制御します。
例えば、0.25
の値は、前面から背面までの距離の25%に相当します。
例えば、生き物の腹部が約1メートルの幅で、 Tissue Relative Thickness が0.2
の場合、その腹部周辺の四面体層は、約20センチメートルの厚みになります。
足が40センチメートルの幅なら、この領域内のTissueの厚みは約10センチメートルになります。
Core Layerは、この深さから初期サーフェス位置が決まります。 オフセットなどで変更されていなければ、Core Layerの表面は、Tissue Layerの内側境界と一致します。
Tissue Layer ¶
Thickness Multiplier
有効な時、Tissueの厚みを調整するのに使用される入力サーフェス上のPointアトリビュートの名前を指定します。
このアトリビュートは、 Tissue Relative Thickness パラメータの乗数として使用されます。
例えば、指定した領域でのこのアトリビュート値が0.5
で、 Tissue Relative Thickness パラメータが0.2
だった場合、その結果の厚みは、サーフェスジオメトリのローカル深度の20%
の半分(0.5 x 0.2 = 0.1)、つまり10%
になります。
Note
この乗数を使用してTissueの厚みを調整してもCore Layerはその影響を受けません。
この乗数によってTissueの厚みが細くなると、Tissue LayerとCore Layerの間に隙間や離れが生じる可能性があります。 緩い、または、弛んだ肉質を目指す場合は、離れが望ましい場合もあります。 レイヤ間に空間を取り入れることで、外側のTissue Layerの動きの自由度が上がります。 離れを 望まない 場合、 Match Core Surface to Tissue Thickness パラメータを有効にすることで、Core Layerを強制的にTissue内部に再投影させることができます。
Scale
有効にすると、このパラメータは、 Tissue Relative Thickness アトリビュート値と Thickness Multiplier アトリビュート値の両方をさらにスケールします。 これは、 Thickness Multiplier アトリビュートの有無に関係なく、Tissueの厚みに適用されるグローバルスケール値です。 つまり、この乗数アトリビュートパラメータは、空っぽのままにすることができます。
Tissue Max Tet Size
Tissue四面体の最大サイズを設定します。 Tissue四面体は、スペースが許す限り、この最大値に合わせて適応的にスケールしますが、 最優先としてTissueサーフェスの三角形サイズによって制限されます。
Remesh Exterior Surface ¶
有効にすると、入力のサーフェスジオメトリは、適応エッジ長を使用して三角形にリメッシュされます。
以下のパラメータの詳細は、
Remesh SOPで説明しています。
無効印すると、入力サーフェスは既に三角形で構成されていると見なされ、そのまま四面体化されます。
サーフェスを四面体化する時、サーフェスプリミティブができるだけ正三角形に近いほど、最良の結果が得られます。
Min Size
適応三角形編成の最小エッジ長を設定します。
Max Size
適応三角形編成の最大エッジ長を設定します。
Relative Density
ポイント生成リサンプリング周波数を設定します。
Gradation
最小エッジ長から最大エッジ長への遷移を制御するレートを設定します。 Gradation を0に近づけると、その変化率は最小になります。 値を大きくすると、ポイント生成が最大エッジ長に適応しやすくなります。
Core Layer ¶
Core Offset Mask
有効な時、Coreサーフェスの変位に使用される入力サーフェス上のPointアトリビュートの名前を指定します。 Tissue Relative Thickness パラメータは、Coreサーフェスの初期深度を設定します。 オフセットパラメータを使用することで、その初期深度からCoreサーフェスをさらに内側にオフセットさせることができます。
Note
この変位を使用してCore Layerを調整してもTissue Layerはその影響を受けません。
このパラメータで宣言されたマスクアトリビュートの値の範囲は、0.0から1.0
にしてください。
変位は、この値にCore Offsetの Scale パラメータを乗算した値を強度マスクとして使用します。
Scale
有効な時、このパラメータは、 Core Offset Mask アトリビュートによってマスクされ、この相対スケール係数でCoreのサーフェスをオフセットします。 1.0のスケール値は、Coreのフルのローカル厚みとほぼ同じ量だけCoreサーフェスを変位します。 0.0のスケール値は、変位が発生しません。 Core Offset Mask アトリビュートが0.0の領域では、このスケール値は何の効果もありません。
Core Max Tet Size
Core四面体の最大サイズを設定します。 Core四面体は、スペースが許す限り、この最大値に合わせて適応的にスケールしますが、 最優先としてCoreサーフェスの三角形サイズによって制限されます。
Match Core Surface to Tissue Thickness
有効な時、Coreサーフェスは、Tissue Layerの変位した内側サーフェス上に投影されます。 この投影は、皮下組織の厚みが Tissue Thickness Multiplier パラメータによってオフセットされた 後 に行なわれます。 また、この投影は、Coreオフセット変位が実行される 前 に行なわれます。
Reduction ¶
入力サーフェスは、Coreサーフェス層と目的の皮下組織の厚みを生成するために、内側へ投影されるReduction(縮小)処理を受けます。 大きな縮小処理が適用された時にサーフェスの欠損や反転を最小限に抑えるために、 TissueSolidify SOP は、目的の深さに到達するまで、いくつかの小さなステップで反復処理を行ないます。 各反復では、ポイントの平均化とVDBへの変換およびVDBからの逆変換が実行されます。 これは、入力サーフェス上に見受けられる高周波ディテール(細かな凹凸)を和らげるために行なわれます。 このReduction(縮小)処理のゴールは、入力サーフェスを滑らかにし、内側へ縮小させ、そして可能な限り元のサーフェスに近づけることであり、 腕や脚のような細い領域が侵食されて消えてしまうのを避けることでもあります。 ただし、外側サーフェスを目的の深さまで縮小させつつ、単一の繋がったソリッドのCoreを保持するのがまったく難しい場合もあるため、 以下のパラメータによって反復処理の調整が可能になっており、できるだけ目的に近い結果が得られるようになっています。
Tip
このノードの3番目の入力を使用することで、Coreサーフェスをレイヤ構造に直接入れることができます。 これによって、プロシージャルなReduction処理が省略されます。
Substep Iterations
入力サーフェスジオメトリを Tissue Relative Thickness で指定した深さまで縮小させるのに使用される反復回数を決めます。
Blurring Iterations
サブステップ毎にCore Surface Layerに対して実行される平滑化パスの数を決めます。
Blur Step Size
各 Blurring Iteration に適用するLaplacianブラーのサイズを指定します。
Voxel Division Size
VDB変換のボクセルサイズを指定します。 値が小さいほど、削減ステップ内でより細かなディテールを取得できるようになります。
Attachment Attribute ¶
Core Layerは、
Tissue Solver Vellum SOPがCore LayerをMuscleとBoneに拘束する時にその付着強度に影響を与えるウェイトマスクアトリビュート(
corefalloff
)を自動で作成します。
このウェイトマスクアトリビュートは、ローカル中心軸からCoreサーフェスまでの距離を使用して計算されます。
Core中心軸は、Coreボリューム内の任意の場所にあるおおよそのローカル中間点を測定するか、または、このノードのInput 4に接続されたジオメトリ上の最も近い位置までの距離を測定することによって、プロシージャルに取得されます。
Core Falloff Distance
Core Layer内のポイントの場合、この値には、ウェイトマスク(corefalloff
) の開始距離を指定します。
Core中心軸からこの距離内にあるポイントのcorefalloff
ウェイトが1.0になります。
Core Falloff Width
Core Falloff Distance を基準としてcorefalloff
が0.0に減衰する距離を指定します。
Core中心軸から Core Falloff Distance と Core Falloff Width の距離よりも離れたCore Layer内のポイントのcorefalloff
値が0.0になります。
Remesh Core Surface ¶
Remesh Input Geometry
有効にすると、このノードのInput 3で指定されたサーフェスジオメトリが適応エッジ長を使用して三角形にリメッシュされます。 Input 3がどのノードにも接続されていない場合、このパラメータは無効(グレーアウト)になります。
Min Size
適応三角形編成の最小エッジ長を設定します。
Max Size
適応三角形編成の最大エッジ長を設定します。
Relative Density
ポイント生成リサンプリング周波数を設定します。
Gradation
最小エッジ長から最大エッジ長への遷移を制御するレートを設定します。 Gradation を0に近づけると、その変化率は最小になります。 値を大きくすると、ポイント生成が最大エッジ長に適応しやすくなります。
Visualization Guides ¶
Guide Display
ビューポートステートで表示される皮下組織の特徴部を決めます。
Off
すべての皮下組織ビジュアライゼーションガイドを無効にします。
Core Surface
Core Surface Layerを可視化します。 このガイドは、Tissue Layerの深さや厚みを設定する際に役立ちます。
Outliers
Tissue Surface Layerを突き抜けている可能性があるボーン、筋肉、コアを可視化します。
Outliers (外れ値)は、
Tissue Solver Vellum SOPを介してそのTissue Surface Layerを押し出そうとする前に対処する必要があります。
Outliers はソルバ内で即座に衝突条件に引っかかって
collision=disabled
のフラグが付いてしまいます。
Inversions
反転した皮下組織の四面体を可視化します。 Inversions (反転)は完全に避けてください。 反転した四面体は、体積がマイナスになって、体積維持計算に失敗してしまいます。 これが原因で、Vellum Solverでポイントが 爆発 する可能性があります。
Low Quality Primitives
Tissue Surface Layer上の低品質な四面体を可視化します。 この品質指標は、ある四面体が完全な正四面体からどれだけ逸脱しているのかを数値化するために使用します。 低品質な形状の四面体は、細長かったり、ほぼ平坦であるもので、可能な限り避けてください。
Core Falloff
コアのフォールオフを点群ヒートマップとして可視化します。 視覚化したヒートマップがほとんと真っ黒であれば、Core LayerとMuscle/Bone間を繋ぐ付着強度がないということです。 ビジュアライザのヒートがもっと明るい、または、白いほど、皮下組織をシミュレーションする時の付着がより強いことを意味します。
Tissue Interior Surface
皮下組織の四面体の内側境界を定義したTissue Solid Layerの内側サーフェスを可視化します。 このサーフェスは、特にオフセット系パラメータのどれかが使用されている場合はCore Surface Layerでない可能性があります。
Exterior Surface
有効にすると、Tissue Surface Layerが一定のレベルの透明度で Guide Display に含まれます。
Exterior Surface Alpha
ビューポートステートでのTissue Surface Layerの透明度を設定します。
Guide Display が Core Surface に設定されている場合:
Color
ビューポートステートでのCore Surface Layerの可視化の表示カラーを設定します。
When Guide Display is set to Outliers:
Outlier Scale
ビューポートステートでの突き抜けジオメトリとして可視化されたポイントのスケールを設定します。
Muscle and Bone Outside Tissue
突き抜けと見なされている筋肉とボーンのポイントの可視化のカラーを設定します。 筋肉とボーンのポイントが皮下組織を貫通してTissue Surface Layerの外側にはみ出している時に、突き抜けと見なされます。
Core Outside Tissue
突き抜けと見なされているCore Layerポイントの可視化のカラーを設定します。 コアポイントが皮下組織を貫通してTissue Surface Layerの外側にはみ出している時に、突き抜けと見なされます。
Guide Display が Low Quality Primitives に設定されている場合:
Quality Threshold
四面体が低品質な形状と見なされ、このビジュアライザに表示するかどうかを判断する閾値を決めます。 1.0に近い値ほど、ほぼ正三角形でない四面体すべてが表示されます。 0.0に近い値ほど、最も問題のある四面体のみが低品質な形状と見なされ、このビジュアライザに表示されます。
Core Primitive Color
Core Layerに属している低品質な四面体のカラーを指定します。
Tissue Primitive Color
Tissue Layerに属している低品質な四面体のカラーを指定します。
Guide Display が Core Falloff に設定されている場合:
Voxel Size
corefalloff
アトリビュートの視覚化に使用されるボクセルのサイズを設定します。
ボクセルのセルサイズが小さいほど、Core Layerが占有するボリュームをサンプリングする時の解像度が増します。
ボクセルのセルサイズが大きいほど、Coreアトリビュートのサンプリング間隔が広くなって、ぼやけたルックになります。
Particle Scale
corefalloff
ヒートマップの視覚化に使用されるスプライトのパーティクルスケールを設定します。
パーティクルは、ビューポート内でスプライト(ディスク)としてシェーディングされて表示されます。
パーティクルが小さいほど、ビューポート内での表示範囲が狭くなるのに対して、パーティクルが大きいほどお互いが重なって不透明度が累積していきます。
入力 ¶
Input 1
Tissueの生成元となるサーフェスポリゴン。
Input 2
(オプション)MuscleとBoneのジオメトリ。 このジオメトリは、突き抜けの検出に使用されます。
Input 3
(オプション)Coreのサーフェスのカスタムポリゴンジオメトリ。 これを指定した場合、この入力が Tissue Relative Thickness パラメータを上書きします。 これを指定しなかった場合、Coreは完全にプロシージャルに生成されます。
Input 4
(オプション)Coreのフォールオフの計算に使用されるカスタムジオメトリ。
出力 ¶
Output 1
皮下組織。 これには、Tissue LayerとCore Layerが含まれています:
Tissue Layer
Tissue Solid Layer(四面体)を覆ったTissue Exterior Surface(ポリゴン)
Core Layer
Core Solid Layer(四面体)を覆ったCore Surface(ポリゴン)
Output 2
プロシージャルに生成、または、このノードで処理されたCoreサーフェス。 これを独自のCoreサーフェスの開始点として使用することができます。 このCoreサーフェスを好きなように一度モデリングし直したら、 Output 2 の接続を解除し、それを Input 3 に接続し直すと良いでしょう。